2016/NOV/19 「Airtel Money」

カメルーンの国境には、離れたところにビタムという町があり、イミグレもその町の中にある。コンゴとの国境と同じだ。と言うことはやはり、日曜は閉まる可能性が高い。出発は土曜日なので、その日の夕方6時までにビタムに着けないとイミグレは閉まってしまい、日曜は休みなので月曜まで待たなければならなくなる。

ビタム行きのミニバスはペーカーウィッテという場所から出ていた。 前日に聞きに行ったときは6時発と言っていたのに、当日聞くと、7時に変わっていた。値段は12,000CFA2,400円)とやはり安くはない。コンゴ共和国以降、移動費は高くなった。一回に20~25ドルいうことが多く、東アフリカに比べると割高だ。

道は最初の方にいくらか悪い場所があったが、あとは全て舗装されていた。街道はジャングルの中を通っていて、リーブルビルまでの道同様、民家の前にドラム缶が置いてあり、そこに木の棒をさして、棒の先にワニや鹿、猿を吊るして売っている。それと警察の検問、大統領アリの大きな看板が数えきれないくらいあった。

ガボンの検問は数は凄まじく、時には500mくらいの間隔であったりと、何のために設置してるのかよくわからない。ビタムまでは15くらいは検問があったが、賄賂と言ってきたのはただ1度だけだった。この一回がなければ、ガボンの警察は腐ってないと思いこんでいただろうに、これでガボンも警察は腐っていることが分かってしまい残念だ。

ビタムに着いたのは18時を15分ほど過ぎていた。猛ダッシュでイミグレへ行ったが、門が閉まっていて、中のスタッフが明日来いと言って、出国スタンプはもらえなかった。運ちゃんがあと少し飛ばしてくれたら、間に合っただろう。運ちゃんは責任を感じたのか、安い宿を紹介してくれた。宿は真っ赤な照明のいかにも売春宿で、窓のない息苦しい部屋にはゴキブリが出るのに名前はHotel Super Comfortと大きな矛盾を抱えていた。

既に暗くなった町へ運ちゃんと一緒に夕飯に出掛けた。運ちゃんはAirtel Moneyと書かれた店に立ち寄りお金を送金すると言った。Airtelはアフリカではメジャーな電話のネットワーク会社だが、Airtel Moneyはその送金サービスだ。日本では全く馴染みのないその送金サービスはアフリカではごく一般的に使われている。

携帯でお金の送金が出来るのだ。運ちゃんは今日の稼ぎをAirtel Moneyの店で預けて、リーブルビルに戻ったら、Airtel Moneyの看板のある店で受けとることができる。言わば銀行のようなものだと話した。他の人の携帯にも送金することができるので、リーブルビルの奥さんに送ることもできる。アフリカでは銀行の口座を持たない人が大多数だ。たぶん貧しい人は持ちたくても審査が通らず持てないし、近くに銀行などない地域がたくさんある。クレジットカードを持ってる人など都市部のほんの一握りだろう。講座を持たない人たちが、携帯電話1つで送金できるというのは本当に画期的だ。日本で皆が当たり前だと思っているサービスが機能しない場所がアフリカにはたくさんある。アフリカで急速に整備が進んだ携帯のネットワーク網を利用したこのサービスにはとても未来を感じる。マイクロファイナンスもそうだが、こういった貧しい地域で、貧しい市民も利用できる、金融サービスというのは、先進国からはなかなか見えてこないものかもしれない。

夕飯の後に運ちゃんとミニバスに乗っていたビタムの学校で教えてるという教師とホテルの下のバーでビールを飲んだ。バーのお姉ちゃんたちはカメルーン人で、英語をすこし話した。カメルーンには英語圏とフランス語圏があり、両方話せる人が多いらしい。フランス語には散々悩まされたが、ここからは少し旅が楽になりそうだ。

少しするとお姉ちゃん達は、結婚しろとか、日本に行きたいからインビテーションをくれとかなり面倒くさくなった。ここからの旅もそんなに楽にはならないかもしれない。





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