2017/APR/16 「青の町と白の町」

トドラ渓谷のあとは、何処に行くか決めていなかった。元々ここで3日間くらいのトレッキングをする予定だったので、少し時間ができた。サハラ砂漠やフェズは以前行ったことがあったので、どちらも行こうとは思わないし、もうダンジェに向かっても良かったが、距離的に長いので何処か手前で1泊した方が疲れなくてよい。そこでまだ行ったことのないシャウエンに行ってみることにした。日本人がこぞって訪れるこの町は旧市街の建物が青く塗られていて、青の町として知られていた。

着いてみると旧市街は観光客が溢れかえっていた。他の町同様、スペイン人と中国人が多いが、それにもましてモロッコ人の観光客が多い。マラケシュもトドラ渓谷も観光客が多かったが、スペインのホリデーとモロッコの連休が重なったと後になってわかった。中国人は休みに関係なく多いらしい。

空いてる宿を探すのにも苦労し、シャウエンの細い路地は何処もツーリストで埋め尽くされていて歩きづらい。旧市街は小さかったが、皆、路地の中でも青く統一された場所を見つけては記念撮影をしている。そんな人達を避けながら、町を歩くのには苦労したし、何処が楽しいのか分からなかった。

シャウエンはそんなだったので、翌日に一時間ほど離れたティトアンという町へ移動した。ここにも観光客がいたが、シャウエンに比べれば皆無だった。この辺りの中心的な町で、活気があった。ここにも旧市街があり、こっちは白で統一されている。建物の色を統一するだけで観光客がやってくるのだ。これ程簡単な町興しはないだろう。日本もなにも観光資源がない町は色を統一することを考えたほうがいい。

ティトアンの旧市街の北には大きな広場があり、そこから斜面に真っ白の建物が密集して建っていた。この街がシャウエンやマラケシュと大きく違うのは、お店が現地人用のお店中心で、観光客用の店が少ないところだ。現地人の暮らしている感じが商店でも食堂でも感じられる。夜になると、通りの人は増え、市場は活気に満ちた。電球に照らされた売り物はどこか鮮度を増して見える。こんな遅い時間に市場が活況なのも不思議だ。市場の周りは細い迷路のような路地があり、細かなお店が入っていて、なかなかの雰囲気を創り出している。期待してはいなかったが、ここは思った以上によい町だ。なぜみんな青い町へ向かうのだろう。白い町も捨てたもんじゃない。







 













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