2017/APR/19 「出アフリカ」

タンジェはなかなかよい町だった。メディナには面倒な客引きもいたが、それほど害ではなかったし、物価も安く、いい感じの安食堂があり旅人向けの町といえるだろう。

アルヘシラス行きのフェリーは今は新しい港から出ているようで、タンジェの町からはかなり放れていた。よく覚えてないが、15年前はタンジェの町の中心近くに着いたはずだ。降りたとたん客引きがスゴい勢いで寄ってきて、荷物を引っ張ったりと大変で、逃げるようにフェズ行きのバスに飛び乗ったのを覚えている。

新タンジェ港までのバスはタンジェの鉄道駅前から出ていて、40分で着くと聞いていたが、実際には1時間以上かかり、危うく10時発のフェリーを逃すところだった。といっても出港は遅れて、船が出たのは11:30だったが。

とても大きく空港のようなフェリーターミナルで、船まではシャトルバスで連れていってくれる。もはや完全に先進国スタンダードで昔の情緒はここには一切ない。この港もチャイナマネーが投入されているらしく、港の端では中国語の社名の書かれた仮囲いの中で拡張工事が進んでいる。

船が動き出したので甲板に出て、アフリカの最後の姿を眺めた。真新しい港にきれいな船が止まっているのは、どうもアフリカのイメージには一致しなかったが、そんなことお構いなしに船はスゴい速度で遠ざかっていく。アフリカもドンドン発展していっているということなんだろう。長い間、何度も旅をすると発展や変化が見られるというメリットがある。昔、まだ情緒のある時代に、ここを船でわたっておいて良かったとおもった。

アルヘシラスもタンジェ同様にえらい変わりようだった。タンジェのように旧市街があるわけでもないので、もはや全く面影はない。昔は港も小さく、港周辺ももごみごみしていて汚かった。フェリーもそこまで大きくなく、モスクが付いていたが、今はスペインの会社の巨大なフェリーで乗客も殆どが外国人だ。港のすぐ裏には一体誰が住んでるんだというくらい、高層マンションが立ち並んでいる。鉄道駅もバスターミナルも刷新されて新しい。

電車があったので、グラナダまでの移動は電車にすることにした。 だが電車は何故かグラナダには行かず、途中から振り替えのバスになった。グラナダはその昔ロンドンから休暇で来るはずがフライトを逃して来れなかった過去がある。アンダルシア-アラビッグ建築の最高峰と言われるアルハンブラ宮殿は長年見たいと思っていた建築物だ。

グラナダの町は思った以上に魅力的で、街中に点在する古い建築群、細く不規則な路地に数々の広場と人々で賑わうタベルナですぐに気に入った。特にカテドラルは素晴らしかった。ライトアップされた町は博物館のようで遅くまで歩き回った。

宿のスタッフが教えてくれたビュースポットへ登ると、ライトアップされたアルハンブラ宮殿が暗闇のなか浮き上がっているのが見えた。あれから15年、ついにグラナダにやって来ることができた。石の腰壁に座っている観光客のすき間に静かに腰をおろした。周囲から視線を感じるのはモロッコでテントと物物交換したジェラバと頭に巻いたインド布のせいだろう。

















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