2017/FEB/13 「ジェンネのモスク」

世界でジェンネのモスクほど有名な泥の建物はないだろう。ロンドンに住んでいた頃買った、家にある`Made by hands'という土着の建築を集めた本にも大きく載っていた。

そのジェンネはモプティからほんの140kmの距離だ。昔、あの本を買ったときにはまさか訪れる日がやって来るとは思わなかった。イエメンのシバームとジェンネは常に記憶の何処かに残っていた。モプティに来てすぐにジェンネに行かなかったのは月曜にマーケットの日に合わせて訪れるためだ。マーケット以外の日に行くとあまりに閑散とした町でガッカリするらしい。

モプティからはタクシーブルースが出ていて、朝6~7時くらいに出るというので6時半に宿を出て、乗り場へ向かった。既に荷物を満載したワゴン車が一台あり、周りには人だかりができている。チケットオフィスでチケットを買うと、その車は出発してしまい、次の車が着た。今度のはプジョーのバンで、15人くらいは乗りそうだ。周りには既に10人くらい人が待っているので時間はかからないだろうと思ったが、そのプジョーは22人乗せるらしく、出発までに3時間待たされた。マーケットの日は、たくさん車が出ると聞いていたが、今日はもう出そうもない。

10時にモプティを出発したオンボロのプジョーは、ポリスチェックポストと2度のタイヤ交換で、140km走るのに5時間もかかった。信じられない遅さだ。自転車のほうが早い。
プジョーはジェンネの町に入ると、中心のモスクの前のマーケット横で止まった。物凄い人だかりだ。ジェンネの町はモスクだけでなく、泥の建物が殆どなので、映画のセットのようだ。マーケットはいかにも乾燥地帯といった感じで、日除けの布が張りめぐらされ、地面にはところ狭しと売り子が陣取っている。カラフルな布を巻いた女の人や、フラニ族が麦わら帽子を被って、行き来して、物凄い活気だ。

残念なのは今日モプティに帰るには5時のバンに乗らなければならないので、滞在はたった2時間だ。

マーケットの中を人を押し退けて歩き、近くで泥のモスクを見て回った。これは世界一大きな泥の建物らしい。このモスクは昔、馬鹿なヨーロピアンが中で侮辱的な行為をしたため、モスリム以外は入れなくなってしまったらしい。が、実際にはモスクの管理人たちが小銭稼ぎにお金をとって中を見せてくれる。皆、金には弱い。

モスクの中はびっしりと柱が並んでいて、柱と柱の間のスペースが、柱の太さとそう変わらない密度だった。つまり、殆ど柱しかない。その柱の間の回廊的なスペースでモスリムの男がアッラーに祈りを捧げている。床は砂なので、人が歩くところはゴザが敷き詰められている。当然埃っぽい。

ジェンネはモスク以外も泥の建物が迷路のようの路地を作っていて、雰囲気がよい。モロッコ様式の、化粧金物がついた木窓が並ぶ建物も実にいい感じだ。

ここは数日滞在するべき町だったなーと後ろ髪を引かれる思いで、帰りのプジョーのワゴン車に乗り込んだ。


帰りも、やはりプジョーのワゴンは壊れて止まってしまった。建物の影一つ見えないサヘルの平野の真ん中で、運転手がオイルまみれになって格闘しているのを、夕日を眺めながら2時間ほど待った。マリではいまだにボロボロのプジョーが走っていて、オンボロ具合はアフリカ全域で走ってるハイエースと変わらなくもないが、プジョーの故障率はハイエースの比ではない。まったく中古のプジョーが走ってる国など旧フランス植民地くらいのもので、こんなの欲しがる人は他にはいない。






















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