2017/FEB/15 「コアルテム神話」

昨日は疲れていたので町でビールを探す日に当てた。モプティにはビールを飲める場所が少なく、値段も高い。国産はなく全て隣国からの輸入だ。

夜になると何故か体調が悪くなってきた。風邪っぽい症状だ。今日は疲れることもしてないしおかしい。やはりワガドゥクであった大学生からマラリアをもらってしまったのか?
それからは寝られず、夜中の2時過ぎに部屋のポーランド人と黒人のカップルが出ていくのが聞こえた。たしかバマコへ行くと言っていた。

朝、起きるとやはり体調が悪い。今日はバンディアグラへ移動する予定だったが、もしマラリアならバンディアグラは小さな村なので危険だ。モプティならマラリアの治療も受けられるだろう。

数日前にワガドゥクで会った大学生からメールで、マラリアが再発したかもとというメールがきていた。マラリアはホントに再発するのか。恐ろしい病気だ。

荷物を纏めてから、歩いて病院へ向かった。ついにマラリアかーと足取りは重く、病院についても、カラフルな服の現地人たちの列に混じって気分は重かった。

スタッフがまず診察代金を払えと言い、窓口で1000CFA(200)払いチケットをもらう。20分ほど待つと、診察室に入れて貰えたが、フランス語で「どうした?」と聞かれて、携帯の辞書で調べた単語で、「熱、喉の傷み、頭痛」と言うと、若いドクターは処方せんを書いて渡してきた。「薬局でこれを買え」と。「え!なんの検査もなし?」と呆気に取られたが、危なく診察終了するところなので、「マラリア検査をしてくれ」と頼む。すると「じゃー窓口で検査代金払え」と言って今書いた処方箋をポイッとゴミ箱に棄てた。今までもアフリカの病院は前払いが多かったが、ここも同じようだ。

体温を計りたいと言うと、机においてあった体温計を貸してくれた。たが、看護婦は「検査を受けるなら私がラボまで案内するわ」と検温が終わる前に体温計を抜き、部屋から連れ出されてしまった。

マラリア検査代は1000CFA(200)と異様に安い。払い終えて、看護婦と一緒にラボへ。ラボには奇跡的に英語の話せる男が一人だけいて、その男が対応してくれた。指先を切り、血をガラスの板の上に垂らした。多分隣の部屋の顕微鏡で見るのだろう。机の上も誇りだらけだし、顕微鏡もアンテァークのようだ。野口英世がガーナにいた時代はこんなだったのかも知れないが、現代でこれでは大問題だ。2時間後に戻ってきてくれと言うので、一度宿に戻ることにした。

そして2時間後に病院に戻ると、さっきの男は、検査結果の書いてある紙をよこして、「マラリアは陽性だった」と告げた。やはり、マラリアだ。アフリカに来て15ヶ月もマラリアにかからずに旅してたので、自分はマラリア耐性があるのではと思い始めていたが、そんなものは妄想だった。

これでしばらく入院かーと思ったが、ドクターは処方せんを渡してきて、「これを薬局で買って飲め」とだけ言った。「え!入院して点滴治療じゃないの?」と言うと「問題ない」と答えた。処方せんにはコアルテムと書かれている。コアルテムはアフリカを長期旅すら人ならみんな持ってる市販薬だ。マラリアになったら最低でも5日は入院が必要だと聞いていたが、処方せん貰って、市販薬を飲むだけで大丈夫なのか?しかも肝心のマラリアのタイプは機材がないから調べられないと言われた。そんなの最近のマラリアキットでもわかるはずなのに。

心配で、数件の薬局でも「病院でこう言われたんだけど?」と聞くと皆「コアルテムは良い薬だ。問題ない」と、まるで製薬会社から裏金でも貰ってるかのように口を揃えて言った。

本当に大丈夫なのだろうか?診察代も検査代も1.8ドルと信じられないくらい安い。コアルテムも6ドル程度だ。宿に戻ってスタッフに聞いてみても、「コアルテム飲めば大丈夫」と言う。もはやコアルテム神話だ。多分この町では他に意見はなさそうな感じだ。これだけ信頼を得ている薬というのも他にはないだろう。ノヴァルティス、スゴい薬を作ったものだ。


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