2017/JAN/16 「コトヌーで新鮮な魚を」

昨夜はラウンジのソファで寝たので随分蚊にやられた。こうやって西アフリカを旅する人はマラリアにかかっていくのだろう。

8時過ぎにジュセルが起きてきた。ジュセルはあまり絡んでくることのない、どこか話づらい男だ。それを補うようにジュセルの母親はやたらと話しかけてくる。トルコ人の日本びいきは有名だが、ジュセルママは絵にかいたような日本ひいきだ。

何故ジュセルがジュセルママとベニンで暮らしているのかは分からないが、息子が不安でついてきたといったところだろう。なんせ急にキノコの栽培のためにベニンに行くというのだから不安にもなる。

ジュセルママは朝食にオムレツを作ってくれ、それから話が止まらない。ジュセルは昔レゴスにいたらしく、そこでジャコと出会ったのだろう。このマッシュルームプロジェクトはジャコの提案だろうし、それがなければジュセルもここへは来なかっただろう。そんなわけでフランス語の一切話せないジュセルとジェセルママがコトヌーに住むことになった。不思議なものだ。

ジュセルママは日本人は魚に詳しいはずだから、魚市場へ行って、新鮮な魚を買ってきてくれと言い出した。すこし驚いたが、きっとここの宿代はタダなのだろうと信じて、行くことにした。

メイドがバイクで漁師から魚を買える場所へ連れていってくれ、そこで魚を買うことになった。

だが、いざ着いてみると小さな路地の両側に10人程度、湖で上がった魚を売る女たちがいるだけで、魚も小さいのばかりだ。髭のはええた鯰と魚の間の子みたいなのは大きかったが、他の魚は鮒みたいなのばかりだ。これではジュセルママはガッカリするだろう。
すると、すこし離れた所に鱗を取っているおばさんがいた。彼女のタライには25cmくらいの赤い魚がたくさん入っている。これは白身で美味しそうだ。メイドに聞くと、これは既に売られてしまっていて、譲ってもらうには多めに払わないといけないと言う。それは嫌だなーと思い、湖の岸まで行って、漁師から買えないか聞いてみたが、小魚ばかりで、まともな魚は見当たらなかった。

メイドに話し、さっきの魚を交渉してもらい、一匹1500CFA300円)で5匹譲ってもらった。自分の金なら絶対買わない値段だが、手ぶらで帰るわけにはいかない。

メイドは何故か実家へ案内してくれ、姉妹達にあってから、宿に戻った。ジュセルママは魚を見ると大喜びしたが、ジュセルは湖の魚だと聞くと、あの汚い水の魚か?と疑問の目を向けた。確かに何故漁師たちは海でなく、あの汚い湖で漁をするのだろう。

その日は、コトヌーの町は歩いて回った。このまちは全く見所はないが、湖と海を繋ぐ、水路の両岸の汚れ具合は半端なかった。特にダントクパ市場の前は、ゴミで覆われ、陸地が見えないほどだ。大した人口ではないこの町で何故ここまで汚れるのか理解不能だ。

中国やインドの環境破壊ばかりメディアで目にするが、アフリカには中国のようにたくさん工場がないので、大気までは汚染されず注目されない。アフリカの環境破壊は人が捨てるゴミや生活排水によるものだ。もし、アフリカにも中国やインドのようなたくさんの工場があれば、中国以上に環境破壊が進むだろう。それほどにアフリカ人の環境意識は低い。それが今後表面化してくるのにそんなに時間はかからなそうだ。





















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