2017/MAR/26 「アルマディス岬の貝」

ガンビアのバカウからセネガルダカールまでは丸一日かかった。ガンビア川を渡るのに二時間も待ったのが大きいが、国境を越えてからのバス待ちにも二時間かかった。アフリカの移動は待ち時間が占める割合が異様に高い。

ダカールの安宿はCVDと呼ばれるヨットクラブで、多分そのヨットクラブの宿泊施設なのだろう。庭にテントを張れるし、バーではwifiもあり安くあげるには良かった。ただ、この辺りは倉庫街で、周りには食べるところも商店もあまりないのが難点だ。

ダカールは大きな町で、中央部以外は歩いて回ることが難しい。市内バスがかなり走っていて、このバスのルートを知らないとタクシーを使うことになる。他のセネガルの町と違いバイタクは走ってない。町の中心は独立広場でその回りに、外資系スーパーや銀行など主だったものがある。そこから西に延びる道が町一番のオシャレストリートで、カフェやレストランが並び、比較的裕福なセネガル人がお茶をしたりしている。

中心から南へ行くとケープマニュエルがあり、岬に至る東海岸沿いは景色がよく、世界遺産のゴレ島も眺められる。泳いではないがビーチもあり、現地人が泳いでいたりする。

日曜でがらんとした中心部を歩いてまわり、市場を見てから、アフリカ大陸最西端のアルマディス岬に行くことにした。ガイドブック旅行人アフリカ版によると昔、JICAのボランティアが、ここに生牡蠣の屋台を作ったという。現地人は牡蠣を食べず、それまでは牡蠣も採ってなかったが、その後牡蠣を売る店ができたそうだ。ここでは屋台で安く生牡蠣が食べられるとあった。すでに20年は経っているが、今もあるかはわからないが。

アルマディス岬まではバスがなく、途中から2キロほど歩くことになった。岬にはシーフードのお店がずらっと並んでいて海が見えない。店の間をぬけるとすぐに海岸でゴツゴツした岩に波が当たって水飛沫をあげていた。

左手にホテルらしき建物が見え、そこにコンクリートの桟橋のような飛び出た所が見えた。近くの人に聞くと、あれはホテルの桟橋で人工的に作った最西端で、こっちが天然の最西端だと教えてくれた。きっと観光客を呼び込むために敷地内に最西端より飛び出た桟橋を作ったのだろう。アフリカ人の考えそうな事だ。

最西端の岩に腰をかけて大西洋を眺める。冷たい風が心地よい。この海の向こう側がアメリカ大陸ということになる。

一軒、生牡蠣の店があり、これがJICAボランティアの作ったものかと思って聞いてみたが、JICAなど誰も知らないと答えた。やはり20年も前なので、屋台はとっくになくなって、今の店にとって変わったのかもしれない。仮に同じ店だとしてもスタッフはさすがに20年も前の事は知らないだろう。

まーどちらでもいいかなと思い、生牡蠣を食べることにした。一皿12個で1750CFA(350)。安い!小ぶりだが新鮮で味は文句ない。ウニも12個で1500CFA(300)と驚き価格だったが、こっちは味が今一つだった。食べてないが他にもつぶ貝やムール貝があり、リーズナブルな値段で食べられる。アフリカ最西端でビールを飲みながら食べる新鮮な貝類は最高だ。ダカールにこんないい場所かあるとは思ってもいなかった。もはやダカールの記憶はアルマディス岬の牡蠣しか思い出せない。


















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