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2017/MAR/2 「ギニアな感じ」

朝食を食べ、その足で病院に行き、三回目のマラリア注射を打ってもらった。今回のマラリア治療は飲み薬ではなく、通院して注射だった。ただこれは、なんとなく医者の気まぐれのような気がした。体調は問題無さそうだが、二度再発しているので、これで終わるという保証はない。色々話を聞くと、一度マラリアになると1ヶ月くらいは再発したり、治ったりを繰り返すことがあるようだ。

宿に戻るとまだ午前中だったので、このままギニア国境を目指すことにした。ギニア国境へのミニバスはそのままの名前のガール ルーティエ ギニアから出ている。かなり離れていたので、体調のことも考えて久しぶりに貸切タクシーを使った。アフリカでシェアタクシー以外のタクシーに乗るのは久しぶりだ。

ガール ルーティエに着いたとたん客引きに捕まり、直ぐにギニア行きの車にたどり着けた。しかもこの車はギニア国境を越えてカンカンという町まで行くという。かなり年期の入ったルノーのステーションワゴンで9人集まったら出発。このタイプの車はこの先ギニアやセネガルでも走っているセットプラスと呼ばれるもので、ここより西では主要交通手段になるのだが乗ったのはこの時が初めてだった。木の陰で出発を待っていると、車の屋根に荷物を積んでいる男が個別に客に荷物代を徴収してまわり始めた。どの客とも公平に揉めている。そして最後にこっちにもやってきて「荷物代5000CFA1,000円)だ!」と強ばった顔で請求してきた。かつてない荷物代だ。もう一切フランス語はわからないふりをして、周辺の野次馬を味方につけ、ジェスチャーで金はないと訴え続けると渋々撤退していった。

3時間ほどで車は出発した。道は舗装されていて、割りと快調に飛ばして2時間半で国境に着いた。マリに入国するときはなかった賄賂請求が出国するときにあり、若いスタッフが「金だせー!」といきり立っていた。如何せん車に乗っていた乗客全員が2000CFA400円)払っているので、向こうも「お前もだー!」と強気だ。しかも、何故か出国スタンプは押す必要はないと、スタンプなしでパスポートを返してきた。出国スタンプがなければギニア側のイミグレで揉めるのは必至だ。

西アフリカのイミグレは賄賂を徴収する以外の事は本当に何も知らない。自国のVISAも見たことないし、ICチップのパスポートを見たことないから、パスポートをめくっていて、ICチップのページでメチャクチャ疑いの眼差しで調べ始めたりする。

ギニアイミグレも同じように賄賂請求があったが、「ギニア大使館で国境ではお金を払う必要はないと聞いた」と言うと無事スタンプをくれた。ベニン以降、西アフリカでは賄賂請求が殆どなく、快適な越境だったが、ここからはまた賄賂との戦いが始まる。アフリカから賄賂がなくなる日はたぶん来ないだろう。

ギニアイミグレは嫌がらせのような荷物検査があり、乗客の一人は荷物の包装をビリビリに破かれていた。一緒に乗っていたリベリア人兄弟はパスポートが偽物だとイチャモンを付けられ60,000ギニアフラン(741円)を支払った。殆どヤクザだ。

カンカンには夜の8時半に着いて、リベリア人兄弟がそのまま別の車でゼレコレに行くから一緒行くかと言うので、乗ることにした。兄の方が近くの屋台で夕飯を奢ってくれ、ここまで来たのと同じくらいボロいルノーのセットプラスに乗りこんだ。

カンカンからの道はこれ迄の舗装路が嘘のようにフルオフロードになった。道の両側はジヤングルでとてもギニアな感じだ。

ゼレコレまでは15時間ほどかかり、着いたのは翌日の昼だった。リベリア人兄弟はさらにそのままリベリア国境へ向かうと言うが、さすがに疲れたのでゼレコレに泊まることにした。この兄弟はタフだ。バマコからモンロビアまで23日ひたすら乗り継いで移動だ。
バイタクに安宿へ連れていってもらった。かなり微妙な宿だったが、直ぐに寝たかったので泊まることにした。バイタクは15,000ギニアフラン(185円)と馬鹿な値段を言うので5000ギニアフラン(62円)だけ払って追い払った。


シャワーを浴びて少し眠って起きるともう16時だった。折角なので町を見に出掛けることにした。ザレコレは小さな町で殆ど見所もないが、なかなか人が良い。ブラブラして子供たちの写真を取り、夕暮れに宿に戻った。部屋に蚊取り線香が置いてあるので蚊が出るのだろう。ベッドを見ると蚊以外にも色々と出てきそうだ。とてもギニアな感じだ。


















2017/FEB/28 「マラリア再発」

バンディアグラからのバスは15時間ほどでマリの首都バマコに着いた。朝の4時とどうしょうもない時間に着いたので、バスのなかで朝まで寝た。

バマコではギニアビザを取って、直ぐに出る予定だ。ギニア大使館は分かりづらい場所で、さらにバマコには大使館とは別にギニア領事館もあり紛らわしかった。ダブルエントリーのビザが60,000CFA12,000円)と聞いていたが、ダブルはなく、シングル50,000CFA10,000円)かマルチ80,000CFA16,000円)のみだった。これからリベリア、シオラレオネ、ギニア、ギニアビサウと回るには、マリからだとリベリアと国境を接してないため一度ギニアを通ることになる。そしてシオラレオネの後、またギニアへ入国する必要がある。なのでギニアビザはダブル以上が必要になるのだ。

領事担当に大袈裟に「80,000CFAもするの?こんな高いビザははじめてだ!ダブルで足りるのになー」とぶつけてみたが、「シングルかマルチか」としか言わない。しかも即日に取れるものだと思っていたのに翌営業日だった。今日は金曜日なので受け取りは月曜だ。これは別のスタッフが時間がないというなら出してあげなよと助け船を出してくれたが、領事担当の意志は固く、月曜だと言ってブレない。

時間もお金も予想以上にかかってしまったギニアビザだが、ビザ代を渡すと領事担当は札を数え間違えて、10,000CFA返ってきた。普段なら数え間違えだよと教えるが、全く融通のきかないこの領事には黙っておくことにした。

どうやらバマコには見所は無いようで、町を見るのも1日あれば十分だった。ただ、ちょうど町で催し物があり、二日続けて見に行った。竹馬のような物を使った躍りや、大道芸、創作ダンス、ライブ演奏とかなり幅広い出し物が深夜までやっていて、クオリティはともかく、時間を潰すにはよかった。

そして翌朝、いよいよ出発しようとすると体調が悪くなり、病院へ行くとまたマラリアだった。マラリアは再発するのだ。ドゴントレッキングでも大丈夫だったので、さすがに治ったと思ったがここにきてまた再発した。バマコの滞在は長引きそうだ。





















2017/FEB/22 「ドゴンのマスクダンス」

バンディアグラにいたときに、ある朝たくさんのドゴン族がバスに荷物を積み込んでいた。荷物の形が棒状だったり変わっていたので聞くと、バマコへマスクダンスを見せに行くと答えた。どうもモロッコの王様がマリを訪問中らしく、マスクダンスを観賞してもらうために召集されたらしい。

ティレリに到着した時にエリーにダンスの話をすると、翌朝の8時に見られる手筈になっていると言った。

朝食を食べ終え、745分にエリーと宿を出て、村の広場へ向かった。エリーは既に民族衣装で、彼もダンスに加わると話した。広場に着くとまだ人は疎らで、それらしい人もいない。いるのはエリーと同じ格好の老人たちと子供だけだ。

暫くするとマスクダンサーらしき人が広場を横切って階段の所に集まってきた。エリーの息子バルゴが広場の左端に来るように言い、ここが特等席だと教えてくれた。エリーと同じ傘帽子に紺色の服を着た老人がかなりの数になった。いつ始まるのかなーと眺めていると、太鼓をもった老人たちがいきなり太鼓を叩きだし、端から傘帽子の男たちが出てきた。それに続いてマスクダンサー達が躍りながら現れた。

太鼓隊を中心に円を描くように次々と違うマスクのダンサーが出てくる。一人ものすごく縦長なマスクの男が目を引く。高さが5mくらいはありそうだ。すると今度は外からその円の中に竹馬みたいな棒を足に付けた二人組が入っていった。これが噂に聞くドゴンの竹馬ダンサーだ。ブルキナファソで会った女の子はこれを見た瞬間涙を流したという。傘帽子とマスクダンサーが太鼓隊の回りを躍りながら回り、その円の中で竹馬ダンサーが踊る。広場の後ろにはバンディアグラの絶壁が朝日を浴びている。スゴい光景だ。

マスクダンサー達は右手に集まって座り、傘帽子は他の老人たちのいる左手におさまり、マスクダンサーのソロダンスが始まった。ただ皆で踊るだけではないらしい。先ずは一番目立つとてつもなく長いマスクの男が出てきた。多分マスクが傾くと重さで倒れてしまうので、体が激しく動いても顔は全くぶれない。しかもこのマスクは相当重いはずだ。縦長マスクが躍り終えると他のマスクダンサーか順番にソロダンスを披露する。同じマスクを付けた人は同じグループらしく、マスクによって2人だったり、3人だったりする。ダンスはなかなか激しい動きで、跳躍したりもする。

全員ソロが終わるとまた全員で円を描くような動きにもどり、グルグルと回りだした。

マスクダンサーは20人くらいだが、傘帽子のおじいさんたちも入れると総勢40人以上がこのダンスのためにかりだされている。まさの村総出という感じだ。他に観光客もいないので観ているのは村の子供たちだけだ。まさかドゴンの仮面ダンスを一人でチャーターすることになるとは思わなかった。何人で観ても謝礼は100ドルなので一人ではもったいないし、村総出のダンスを一人で見るのはなんだか申し訳ない気分になる。バマコでマスクダンスを観賞したモロッコの王さまもこんな感じだったのかも知れない。


























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