2016/MAY/29 「プラネタリウムのしたの町」

モザンビーク島にはツーリストが全くいなかった。モザンビーク島だけでなく、モザンビークに入ってから、まだバックパックを背負ったツーリストには会っていない。東アフリカでは、こんなにツーリストがいない国は初めてだ。話に聞いていた腐った警官のかつあげにも会わないし、人もみな親切で良いところだ。ツーリズムがない場所への旅は、普通の暮らしをしているところに上がり込む感じが面白い。

モザンビーク島は北側のストーンタウンと呼ばれるコロニアルな建物の残るエリアと、泊まってる宿がある下町的なエリア、マクティタウンに別れていた。マクティタウンにはお金の無さそうな島民の集落があり、生活が垣間見れてよかった。

南北2km、東西400mくらいしかないので一日あれば島を見て回れる広さだ。島にはポルトガルが建てた宮殿や要塞、教会があったが、島民はモスリムなので、教会はどこも閉まっていた。島の北端にある一番の見所の要塞を見に行ってみると、門が閉まっていた。中は全く人気がない。海岸で遊んでいる子供たちに聞くと、要塞の警備のおじさんを呼んでくれた。しかし、チケットは博物館で買ってこなければいけなかったようで、おじさんは「ここでは買えない」と言うが、「現金を払えば入れるぞ。戻る必要はない」と妙にアピールしてくる。これは間違えなく彼のポケットに入れるのだろう。


値段を聞くと外人は200(400)メティカルで、ローカルは100だという。こっちが渋ると、100だと言ってきた。それなら入ろうと500メティカル札を渡すとお釣りが無いので、結局両替に行くはめになった。子供たちに、こっちだこっちだと先導されて、近くの食堂でくずしてもらおうとすると、出来ないと断られどうしようかなーと考えていると、子供たちはこっちだこっちだとまた先導し始めた。だが、今度は要塞の裏の海岸沿いに進みはじめて、何処へ行くのかと思っていると要塞の中に入れてしまった。

子供たちはまんべんの笑みだ。そのあとも要塞の中を案内して貰って、また要塞から海にでて、歩いて逆側の海岸から入り口前に戻ってきた。ずさんな警備のお陰でただで見学できた。

島民曰く、ヨーロッパの夏休みには観光客が押し寄せるらしく、島には心地よいカフェやレストランが幾つかあった。市場の隣にある夕方になると開くラストラン、バーは屋上ラウンジがあり星を眺めながら冷えたモザンビークビールが飲めた。モザンビーク島の星空はエチオピアのシメン山を彷彿させるほどの明るさで、毎日天の川が、はっきりと見えた。まるでプラネタリウムの下に町があるようだ。店で買うより20しか高くない70メティカル(140)でビールが飲めるのも、観光ズレしてないモザンビークならではだ。青い海に囲まれたモザンビーク島は、本当に素晴らしいところで、宿で飼われている元気すぎる大型犬ハルク以外には全く問題は見つけられない。




















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