ベラトまでは思っていたより時間がかかり、着いたのは夕方4時くらいだった。バスの運ちゃんは旧市街の橋で降ろしてくれたので宿へは歩いてすぐに着いた。あまり期待してなかった旧市街は石畳と石積みの壁の路地が入り組みでとてもいい雰囲気だ。日が沈み始めそうなので荷物を置いてすぐに町を歩きに出た。
宿のすぐ近くに教会があり中を覗いてみた。教会の建物には鍵がかかっていたが、境内で掃除をしていたおじさんが開けてくれた。照度の低い、教会の中はとても良い雰囲気でかなり古そうなイコノシタシスもあった。
川を挟んで宿のある旧市街とは別に建物が山の斜面に積みかさなったような、もうひとつの旧市街があった。これが有名な千の窓の町かーと興奮していろいろな角度から眺める。かなり急な斜面にランダムに建てられた建物たちはまるでゲーリーの建築のようだ。橋の上のここだという角度で手すりに寄りかかりしばらく眺める。観光客らしき外人が後ろを通り過ぎてゆく。ベラトは西ヨーロッパではそこそこ知られた場所なのかも知れない。
しばらくすると暗くなり始め、千の窓の町には照明がつき始めた。積み重なった建物たちは立体感を増して浮かび上がる。まるで全部でひとつの建築のように見えた。
宿に戻ると客は他にはいないようで、ドミトリーの好きなベッドを選べた。オフリド同様、夜はかなり冷え込みそうなので窓からなるべく離れた内壁のそばのベッドにした。この宿は宿のオヤジが築400年以上と胸を張るだけあり、扉の気密がかなり甘く外気がつうつうだ。夜が来るのが恐ろしい。寝袋を出し、その上に毛布をかけて中に入ってみる。まだ厳しそうだ。今夜はダウンを着たまま寝袋に入ったほうがよさそうだ。
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