2016/DEC/25 「ハルマッタン」

朝起きて外に出ると、朝靄のように辺り一面、白がかっていた。既に太陽が出ているはずなのに、はっきりとは見えなく、薄い雲の背後に太陽があるように輪郭だけ見えた。乾燥地帯の乾期に雲などあるわけもないので不思議だなーと眺めていると、細かな砂ぼこりが空を覆っていることに気がついた。これが噂に聞くハルマッタンかもしれない。やたらと埃っぽく、太陽があたらないので気温も上がらない。不思議な感じだ。

バイタクでバス会社のターミナルに向かおうとしたが小銭がないことに気がついた。この辺りでは大きな札は一切受け付けない。

運ちゃんが案の定、お釣りがないと言うと、なんとホテルのスタッフがバイタク代を払ってくれた。やはり、モスリムの国は歓待文化が生きている。

7時発と聞いていたが、オフィスに行くとバスは9時発だと言われ、実際には10時に出発した。バスは大型で一応冷房まで聞いていて立派だ。砂ぼこりが酷く窓は一切開けられない。

ンジャメナには午後3時に到着。バスにはタクシーやバイタクの客引きが群がり煩いので、その場を離れ、地図を見ると、調べていた宿はバックパックを背負っていくには遠すぎることが分かった。近くの屋台でオムレツサンドとコーヒーを飲んで、宿までのバイタクの値段の相場を聞くと、250CFA50円)くらいで行けることがわかった。客引き達の言い値は1000CFA200円)。ンジャメナのバイタクはかなりボッてくる。

調べていた宿はCentre d'accueil de Kabalayeという覚えるには長すぎる名前で、着いてみると一番安い部屋でも15,000CFA3,000円)もすると言われて唖然とした。確か川沿いに行けば5000CFAくらいの連れ込み宿もあるとクンが言っていたが、中心から遠く、かなり劣悪な環境らしいのでできれば行きたくない。

このキリスト教会系の宿は日本人シスターがいるというのでそこが唯一の突破口だ。レセプションに「日本人シスターがいると聞いて、遠路遙々やってきた。長旅で宿代にそんなには使えないが、なんとか安くしてもらえないか?」と聞くと「日本人シスターは今ンジャメナにはいない」と言われてしまった。あとはひたすら値切るしかない。ダメかと思ったが、ボスに電話してくれ、逆にいくらなら払えるんだ?と言うので5000CFAというとそれで通ってしまった。自分で頼んでおきながら、こっちもそれは値切りすぎだろと驚ろいた。

そう言えば、今日はクリスマス。ここは教会付属の宿だし、教会で大きなミサとかあるのかなーと思って聞いてみると、「いや、なにもないです」と返ってきた。ンジャメナのクリスマスの夜はとても静かなものになりそうだ。






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