石の町と呼ばれるジオカストルの町はイマイチで、丘の上のほうの旧市街も昔の姿をとどめている部分は限定的で統一感に欠ける街並みだった。ベラト同様ここも旧市街の一番上には城がそびえていた。
ホステルだと思って予約した最安値の宿は古い旧市街のホテルで客は誰もいなかった。レセプションのおじさんは隣のカフェの唯一のスタッフなので、ほとんど宿には居なく、宿の中は電気もついてないので静まり返っていた。おじさんはシングルルームに通してくれたが、電気が壊れてつかなかったので隣のダブルルームを使わせてくれた。荷物を置き扉を閉めると今度はドアノブが抜けてしまった。予約するときにはWifi有りとあったが、実際には裏のレストランのWifiを使えということらしく、おじさんはレストランへ行ってそこのスタッフからパスワードを聞きだした。かなり強引に。ただし、さすがに距離があり部屋ではベランダに出ないと使えなかった。夜はベラト同様に寒く、寝袋に毛布をかけて寝た。秋から冬に東ヨーロッパを旅するなら寝袋は持っていったほうがいい。
翌日、とりあえずお城を見に行くことにする。広い石畳の折り返し道を登り城の入り口に着いた。ジロカストル城は石造りの建物がだいぶ残っていて、入り口からの石のアーチの連なる内部空間が迷路のようでカッコよい。鎖国時代の大砲や撃墜させたアメリカの戦闘機が展示してあった。城のテラスからは旧市街の石の屋根が良く見えて、石の町と呼ばれているのがまー理解できたが、新しい建物も入り交ざっているのでもったいない感じがした。
城を後にして、旧市街を歩いて回った。町は観光客もなくのどかだ。子供達が道で遊んで、おじいさんがカフェでビールを飲んでいる。旧市街の中心に石畳の5差路があり、石の屋根の建物が集まっていてなかなか良かった。たぶんここが旧市街の一番の見所だろう。ここには2泊してからサランダに行こうと思っていたが、宿がイマイチなので夕方にサランダに向かうことにした。サランダはギリシャとの国境に近いアドリア海沿いの町なのでもっと暖かいはずだ。
新市街の街道でサランダ行きのバスを拾った。バスで隣に座っていたおじいさんは日本人だというとどんどん話しかけてきた。ジロカストロの名前の由来は200年くらい前のアンジェロというお姫様の名前からだと教えてくれた。アンジェロ キャッスルがなまってジロカストルというわけだ。ジロカストルが少し良い町に思えてきた。
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