テルアビブの宿には夜12時近くに着いた。ハイファでシェルートにバックパックを積んで近くのファラフェル屋に行っている間にバスが出発してしまうハプニングがあったが、テルアビブに着くと先に着いたバックパックを預かっていてくれた。スターミナルから宿へは歩いて40分以上もかかった。夜道には黒人やフィリピン人が多くておどろいた。
朝食付きの宿だったので朝、食堂へ行くと数人が朝食を食べていた。同じ部屋にいた人がコーヒーを注いでくれたのでお礼を言い「どこから来たの?」と尋ねると「ガザ」と答えた。何処の国だろうと思ってもう一度聞くと今度はもっとはっきりと「ガザだ」と答えた。 「ガザってガザ地区?」と聞くと「そうだ」と答えた。かなり驚いたがとりあえず「ふーん」と言ってそこを離れた。ガザの話を聞いてみたかったが自粛した。どうやってガザから出てこれるのか疑問だった。
テルアビブはビーチ沿いに栄えた町で、オシャレなカフェもありイスラエルでは一番近代的だが、町すべてがきれいというわけではなく、B級のLAといった感じだ。海沿いのプロムナードではイスラエル人がローラーブレードやスケートボード、自転車に乗っているし、ビーチでは日光浴をする人が寝転がっている。気温も高く11月でも海に入ることができるほど温暖だ。物価が安ければ悪くないところだ。イスラエルは外食が高く、ファラフェルで16シュケル、ケバブ(小)だと28シュケルする。大きいサイズなら32シュケルで1000円近い計算になる。昼にファラフェル、ポテト、ドリンクのセットを食べたが35シュケルだった。しかもぜんぜんオシャレではない店でだ。怖くてオシャレカフェには入れない。
テルアビブはショボイ旧市街みたいな場所があるが、あまり見所はないのでギャラリーをみたりビーチで寝て過ごした。そもそも土曜で市内バスも止まっているので遠くにはいけない。楽しみにしていたテルアビブ現代美術館は開いてはいるが遠くていけなかった。しかも何故か日曜は休館なので明後日まで物価の高いテルアビブに滞在することになる。日曜に閉館する美術館はイスラエルだけだろう
ロンドンで暮らしていた頃にArchitecture Designという雑誌に掲載されていたプレストン・スコット・コーエンのEyebeam
Museum of Art and Technologyコンペの提案でとても衝撃を受けたのを覚えている。テルアビブ美術館はそのプレストン・スコット・コーエンの数少ない実現作だった。昔はそんなの建つのかなーと雑誌を眺めていたが今やどんなデザインでも建つ時代になった。彼は長らく実作のない建築家だったがようやく建てられるようになった。ある意味時代が追いついたということなのかも知れない。いい建築だといいなー。