2016/APR/6 「ムランビ虐殺記念館」

ルワンダには各地に虐殺の現場を保存した虐殺記念館がある。あまり気分のいいものでもないので、1ヵ所だけ行こうと思っていた。キガリの南にも有名な虐殺現場になった教会が保存されている。ただこのあとブルンジに抜けるのであれば、南部のフイエへ移動し、その近くにあるムランビ虐殺記念館を見るのがいいように思えた。ムランビは教会ではなく、学校だった所で、この丘にたつ建物にフランス軍が守っているから安全と言われたツチ族が避難し、そこを襲撃されたという。一度に45,000人が殺されたという大虐殺の現場だ。

フイエからニャンマガベへバスで行き、そこからバイクタクシーで10分。見晴らしのいい丘の上に建てられた学校の建物が見えてきた。今日は珍しく天気が良いので、青空に浮かぶ雲と回りの丘陵がとてものどかだ。

ゲートの所で外国人のオジサンとすれ違ったが、他にはツーリストはいないようだ。建物のなかの展示を見て、そのあとはスタッフが付いて、集団墓地、技術学校の教室を案内してくれた。教室にはここで殺された人のミイラが台の上に無造作に並べられていた。2つの棟の部屋全てにミイラが置かれていて、他の棟には頭蓋骨や、大腿骨がケースに入っていた。ミイラは皆、石灰が塗られているので、真っ白だが、石灰から飛び出た髪の毛だけが黒かった。頭蓋骨が、割られていたり、足がなかったりと殺された状況が想像できるものも多く、何より部屋のなかは異臭がして、長居する事が出来なかった。

敷地のなかを一通り案内されて、最後に虐殺のときに遺体が捨てられた穴を見せてもらい、終了となった。

この平和なルワンダでほんの20年前にそんなことが起きたとはとても想像できない。今はツチ族、フツ族と分けること自体タブーになっているが、隣国ブルンジではいまだに多数派フツ族と少数派ツチ族で別れている。虐殺に関わったフツ族は報復を恐れ、ルワンダ国外に逃げて、ゲリラと化したままだ。ひょっとしたら、ルワンダに見る平和はまだ、ちょっとしたきっかけで崩れてしまう危険をはらんでいるのかもしれない。












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