2016/JUL/5 「イノシシ襲来」

カサネのチョベ サファリ ロッジはあまりの環境の良さに3泊もしてしまった。4つ星ホテルのキャンプサイトなので、ホテルのロビーやバーも使える。テラスで飲んだラテも、ランチで食べたチーズバーガーも素晴らしく美味しかった。何よりキャンプサイトには野生のシカやイノシシ、マングース、サルがいて、そのへんを歩いている。サファリパーク状態だ。目の前のチョベ川ではゾウの群れが水浴びしてるのが見え、夜にはワニが徘徊するという豪華さだ。ボツワナは広大な国土に200万人強しか人が住んでなく、国ごとサファリパークのようだ。

近所のスーパーへ遅い昼を買いに行って戻ってくると、テントの中からガサッと音がした。するとテントが中側から何かに押されて膨らんだ。明らかに何かが中にいる。しかもでかそうだ。よく見るとテントの入口は破かれていて、侵入した形跡がある。野性動物が飛び出てきて襲われるとまずいので、ひとまずセキュリティーを呼ぶことにした。

戻ってくるとまだテントの中からゴソゴソ音がする。セキュリティーに「サルかな?」と聞くと「いや、違う」と答えた。セキュリティーはテントの入口を全開し、一声叫んだ。すると勢いよく大きなイノシンがテントから飛び出てきた。中を見ると食料を入れていた袋がズタズタになり、中身は全て食べられていた。食料以外にもイノシシが侵入したせいでテントの中はメチャクチャだ。でも一番痛かったのはテントが破かれたことだ。

セキュリティーは「テントは残念だったな。食べ物をいれてると、動物が来るんだよ」といった。しかし、他に置くところもない。サルがいるので木から吊るしても取られてしまうだろう。どうしろと言うのだ。

取り合えず、片付けないとと思い、破れたテントから荷物をすべて出した。セキュリティーは「マネージャーが来るまで、ちょっと待て」と言うので、荷物を外に出した状態で待つことにした。驚くことにさっきのイノシシは5mほど離れたところでこちらを見つめている。「あいつを捕まれて食おう」と言うと、セキュリティーは「それは大問題になるからやめてくれ」と答えた。

しばらくすると、恰幅のよいマネージャーが、他のスタッフとやって来た。マネージャーは開口一番「テントは弁償できない。食べ物をテントの中に置くからいけないんだ」と言った。他のスタッフは皆、「テントは残念だったね」と言ったのに、この男は責任問題にしか気を使えないようだ。ムカッとしたので、「テントの外に置いたらサルが持ってくだろう」「動物は我々は管理できない」「管理できないなら、敷地に入れなければいいだろう。それをしないで、何か起きたら責任が発生するのは当然だろう?アメリカじゃあ、ベアボックスっていう鉄の容器がキャンプサイトにあるよ」マネージャーは黙ってしまった。「お前が最初に残念だったねの一言でも発していれば、それで済んだのに、いきなりこっちに非はないというからこうなんだ。別に弁償してもらおうとは初めから思ってないよ」と言うとマネージャーは「すまなかった。宿泊棟が空いてれば、泊めてあげられるが今夜は一杯だ。代わりに車でテントが売ってるお店まで連れていく事はできる」と言ったので、それで手を打つことにし、店が閉まる前に急いで車で向かった。

高いテントしかないのかなーと心配していると、目当ての店に着く前にチャイニーズショップと彼らが呼ぶ店を発見し立ち寄った。するとそこにはケニアやタンザニアで売っていた中国産安物テントがあった。値段は2500円くらいでケニアで買ったのと変わらなかったが、すこしだけ仕様がことなっていた。色も数種類あり、今度は迷彩柄のものにした。これなら動物達もテントに気がつかないから、二度と襲われることはないだろう。



















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