2016/JAN/7 「エチオピアのクリスマス」

昨夜は3時に寝たので遅く起きようと思ったが、周りの音で8時に目が覚めた。ホテルでお湯をもらい紅茶を作り、昨日買った食材でサンドイッチを作ってたべた。今日は残りの教会を見に行こうと思った。

昨夜ミサを見た南のクラスターに戻ると、教会は通路に入る前からスゴい行列になっていた。全く進む気配がなく、ここで1日終わりそうな雰囲気だ。別の入り口を探し、他の教会にたどり着いた。そこから巡礼者について教会を回り、昨夜の教会にもたどり着いた。外周壁の入り口から別の教会へ行くと中庭の様なところの地面の床の穴から巡礼者が出てきていた。そこは一方通行のようで入れてもらえないので、別の入り口に回る必要があった。靴をそこに置いて入り口を探したが見つからず、昨夜の教会に戻り警備に聞くと鍵のかかった扉を開けて通してくれた。奥に進むと最初の長蛇の列の中腹に出た。そこからは列に身を任せるしかなく、意思と関係なく進むと洞窟のような入り口があり、中は真っ暗だった。巡礼者達はそのまま暗闇の中へ押し合いながら突入した。細く長い洞窟はこれが本当にさっきの場所に繋がっているのか、かなり怪しかった。巡礼者は何やら呪文のように「キリストーキリストー」と唱えているので一緒に唱えながらすすむ。ようやく外の明かりが見え、皆、外に出ていく。なんとそこは先程来た教会の中庭の穴だった。

宿に戻りジョニーさんに連絡すると近くにいるから1分でホテルに行くという。ダナキルツアーのエチオツアーがラリベラから無料のピックアップをしてくれると聞いたので電話するが繋がらない。出来ればバスでなく、この無料ピックアップでメケレまで移動したかった。

しばらくするとジョニーさんがやって来た。綾ちゃんを紹介し、テントをどうやって渡すか話し合った。宿を出るときにレセプションに預けて、それをジョニーさんが後で取りにくることになった。

ジョニーさんにメケレまでのバスの話をすると「大丈夫だ。ついて来い!」といいホテルの外へ出て歩き始めた。少し行くとエチオツアーと書かれたバンが停まっていて、ジョニーさんは運ちゃんに話始めた。「明日の8時に彼らが宿に迎えに行く。ツアーはメケレについたらエチオツアーと話せばいい」と言った。なんか上手くまとまった。ジョニーさんにお礼を言って宿に戻った。

夜の10時に再び宿を出て、北のクラスターへ向かった。今夜はクリスマスのミサだ。教会の堀込まれた庭に着くと、歩くことが出来ないほど巡礼者が床に座っていた。なんとか間を縫って進むが神父達がミサをやっている近くは人垣で全く近づけない。身体を押し込むが周りの巡礼者も必死なので進めない。綾ちゃんに「こっちからは無理だから他の場所を探そう」と言い引き返した。教会をグルッとまわり反対側へ行くと、そっちも巡礼者で足の踏み場もなかったが、チラッとミサが見えた。そこは少し高くなっていたのでその縁まで行けばよく見えそうだった。すると「こっちだー」と声がかかった。よく見ると、ラリベラに着いたときにしつこく付きまとってきたエチオピア人がいた。彼の方に近づくとその奥には、なんとジョニーさんがいて、「田付こっちだ」と呼んでくれた。まったく奥に進むきっかけがつかめず、動けなかったが、ジョニーさんの一声で「知り合いの場所に行くんだよ!」的に強引に前に出れた。掘りの縁はスゴい人垣だったが、さっきのエチオピア人が足の踏み場を作ってくれた。なんとか腰が下ろせるほどのスペースを作ってもらいしゃがみこんで、綾ちゃんも呼んで引き寄せた。不安定だが身体をくっつければ二人がギリギリ座ることができた。目の前にはジョニーさんがいて、ロウソクを二人分分けてくれた。

少し距離はあったが、ミサはよく見え、堀の上まで巡礼者で埋め尽くされた空間は圧巻だった。12時になるときにみんな持っているロウソクに火を付けた。あっという間に辺りはロウソクの火で埋め尽くされ、その中心で神父達が音楽を奏でながらミサを行っている。さっきまで寝ていた人達も皆起きてロウソクをもって立ち上がった。しばらくすると皆火を消した。あっという間だったが神秘性にみちた感動的な光景だった。こんな光景を目にすることはもうないかもしれない。マナミさんが言ってたのはこのことだったのかとラリベラのクリスマスのことを教えてくれたことに感謝した。何故か今ここにいる時間が大切に思え、その夜は2時半過ぎまでそこでミサを眺めた。


















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