朝、4時にヌルハンホテルのロビーに行くとショウくんと綾ちゃんはすでに待っていた。昨夜、念の為に二人のタクシードライバーに予約を入れていた。一人には4時にホテルにピックアップに来るように伝え、もう一人にはマーケットの入り口に来るように伝えた。
4:15になってもホテルにドライバーは現れず、諦めてマーケットの入り口まで行くが、もう一人もいなかった。二人とも朝は苦手だったようだ。二人とも来たら悪いな~と心配したが、今は3人にしておけば良かったと後悔した。
仕方なくそこにいたタクシー運ちゃんと交渉をする。3人で30と言われたが25で落ち着いた。
バスターミナルに着くと男にチケットとパスポートを預けて、チャイを買ってベンチで待つことにした。男は何やら紙に書き込んでからパスポートを返してくれた。5:00くらいにバスに荷物を積み始めると、男は「荷物代25ポンドだ」といい始めた。「そんなもの含まれてるだろ!」と断るが、「荷物はバックパックとザブで2つだから払え!」とかなり高圧的だ。他の乗客も払ってはいるが、彼らはどう見ても超過料金を払うべき量の荷物を持っている。無視して乗り込むとバスの中にも荷物も積んでいて、後ろから4つの席と通路は完全に荷物で埋まっていた。中で積み荷をしている男も25払えといい続けた。近くのおばさんが通訳してくれて、「サブは膝の上だから預ける荷物は1つだ」というと積み荷の男は手でオッケーのジェスチャーをし、何故か一緒に写真を撮れと言うので撮ってあげた。
バスは三時間半でアブシンベルまで行き、神殿のすぐ近くの船着き場までいって小休止があった。飯を食いたかったが、あまりに酷いボリかただったので止めた。
船はバスが2台ちょうど乗るサイズで船を載せ終わるとすぐに出発した。期待していたアブシンベル神殿は船の上からは見ることが出来なかったが、乾燥したランドスケープと湖の景色は素晴らしかった。船は黄土色の大地に着岸し、みんな歩いて降りていく。ここには湖と黄土色の岩山、砂漠しか見当たらない。こんな国境はなかなかないだろう。
さらにバスに乗り込み1時間ほど走るとエジプト側のイミグレに着いた。綾ちゃんは興奮して「田付さん!国境越えちゃいますよ。起きてください!動画録り始めますか?」と言って何故かipodでドリカムのHAPPY HAPPY BIRTHDAYを流し始めた。誕生日祝いではないだろと思ったが彼女なりに考えて選んだ曲なのだろうとそのまま流した。アスワンで準備したパーティー用三角帽と100か国記念のボードを確かめる。いよいよか?と思ったがよく考えるとまだエジプト側のイミグレだった。
エジプト側のイミグレは聞いていた通り、バスから全ての荷物を降ろし、検査後にまた積み込んだ。普通のバスならいいが、車内にも荷物を満載したバスの荷降ろし、荷積みは2時間を要した。
次にバスはスーダン側のイミグレに向かった。ここが事実上の100ヵ国目の国境だ。本当は歩いて100ヵ国目の国境を越えたかったが当然バスからは降りることはできないので、そのままイミグレの敷地内に入り、バスを降りた。イミグレスタッフらしき人が見るなり、「コッチだ」といい、何もする暇を与えず建物の中へ誘導された。そこで優先的に入国審査をしてくれ、すぐ近くで入国税50スーダンポンドを払うように言われた。「横のベンチで寝ているおっさんが両替屋だから替えてもらえ」と言われたので、そこで全てのエジプトポンドをスーダンポンドへ替えて、入国税を払った。レートは100エジプトポンドが125スーダンポンド。公定レートよりも1.5倍は良い計算になる。闇レートのあるスーダンではATMは使えないので、この現金のみでスーダン滞在を乗り切らなければならない。
とりあえず、ダメもとでイミグレに100ヵ国記念の写真を撮りたいと頼んでみると、みんな出てきて並んで一緒に写真撮影をして祝福してくれた。写真は一緒に撮ってとは頼んでなかったがなんかスゴいいい人たちだ。国境はたいてい写真不可なのに。「本当は国境のゲートで取りたいんだけど?」と頼むと、「オッケーだ。行ってこい」と言う。バックパックを置いて、早歩きでアスワンで買ったパーティー用三角帽と自作のボードを持ってゲートへ向かうと兵士に止められる。「なにやってるんだ!」「スーダンで100ヵ国なんだ。国境で記念撮影したい」「100ヵ国か!スゴいな!撮れ撮れー」兵士もスゴいいいやつだ。スーダン国旗の上に`祝100ヵ国'と書かれた段ボールを見せるとみんな喜んで笑ってくれる。遠くの兵士もみんな興味津々だ。
綾ちゃんとショウくんに頼んで写真とムービーを撮ってもらい、最後にみんなで一緒に国境を歩いて渡るムービーを兵士に撮影してもらった。これは兵士の技量不足で途切れた映像になってしまったが、「シュクラン!」とお礼を行ってイミグレの建物を抜けて外へ出た。
これでついに100か国目スーダン入国だ。すでに4年近くを旅に費やしている。始めてパスポートを作った時にまさかこんなに旅する人生になるとは思いもしなかった。スーダンはきっと良い思い出の国になるだろう。今夜は絶対肉を食おう。
ワデイハルファの町には夕暮れ時に着いた。宿を探す前に近くの岩山に登り、スーダンで始めての夕日を眺めた。スーダンは本当に何もない乾燥した所だ。ワデイハルファの町はお世辞にもキレイではなかったが、夕日で町は赤く輝き始めた。まるで祝福を受けているようで気持ち良かった。
宿は3軒ほど回って、一人20ポンドで屋外のベッドに寝ることになった。星を眺めながら寝れるとは贅沢だ。水は錆びたドラム缶に貯めてあるのを使うしかなく、トイレに行くときにはそれを汲んでもっていく必要があった。こんなにプリミティブな宿は久しぶりだ。今夜はきっと星がすごいだろーなーと寝袋をベッドの上に広げた。スーダンが101ヵ国目だったと気がついたのはスーダンを出て、しばらく後のことだった。
4:15になってもホテルにドライバーは現れず、諦めてマーケットの入り口まで行くが、もう一人もいなかった。二人とも朝は苦手だったようだ。二人とも来たら悪いな~と心配したが、今は3人にしておけば良かったと後悔した。
仕方なくそこにいたタクシー運ちゃんと交渉をする。3人で30と言われたが25で落ち着いた。
バスターミナルに着くと男にチケットとパスポートを預けて、チャイを買ってベンチで待つことにした。男は何やら紙に書き込んでからパスポートを返してくれた。5:00くらいにバスに荷物を積み始めると、男は「荷物代25ポンドだ」といい始めた。「そんなもの含まれてるだろ!」と断るが、「荷物はバックパックとザブで2つだから払え!」とかなり高圧的だ。他の乗客も払ってはいるが、彼らはどう見ても超過料金を払うべき量の荷物を持っている。無視して乗り込むとバスの中にも荷物も積んでいて、後ろから4つの席と通路は完全に荷物で埋まっていた。中で積み荷をしている男も25払えといい続けた。近くのおばさんが通訳してくれて、「サブは膝の上だから預ける荷物は1つだ」というと積み荷の男は手でオッケーのジェスチャーをし、何故か一緒に写真を撮れと言うので撮ってあげた。
バスは三時間半でアブシンベルまで行き、神殿のすぐ近くの船着き場までいって小休止があった。飯を食いたかったが、あまりに酷いボリかただったので止めた。
船はバスが2台ちょうど乗るサイズで船を載せ終わるとすぐに出発した。期待していたアブシンベル神殿は船の上からは見ることが出来なかったが、乾燥したランドスケープと湖の景色は素晴らしかった。船は黄土色の大地に着岸し、みんな歩いて降りていく。ここには湖と黄土色の岩山、砂漠しか見当たらない。こんな国境はなかなかないだろう。
さらにバスに乗り込み1時間ほど走るとエジプト側のイミグレに着いた。綾ちゃんは興奮して「田付さん!国境越えちゃいますよ。起きてください!動画録り始めますか?」と言って何故かipodでドリカムのHAPPY HAPPY BIRTHDAYを流し始めた。誕生日祝いではないだろと思ったが彼女なりに考えて選んだ曲なのだろうとそのまま流した。アスワンで準備したパーティー用三角帽と100か国記念のボードを確かめる。いよいよか?と思ったがよく考えるとまだエジプト側のイミグレだった。
エジプト側のイミグレは聞いていた通り、バスから全ての荷物を降ろし、検査後にまた積み込んだ。普通のバスならいいが、車内にも荷物を満載したバスの荷降ろし、荷積みは2時間を要した。
次にバスはスーダン側のイミグレに向かった。ここが事実上の100ヵ国目の国境だ。本当は歩いて100ヵ国目の国境を越えたかったが当然バスからは降りることはできないので、そのままイミグレの敷地内に入り、バスを降りた。イミグレスタッフらしき人が見るなり、「コッチだ」といい、何もする暇を与えず建物の中へ誘導された。そこで優先的に入国審査をしてくれ、すぐ近くで入国税50スーダンポンドを払うように言われた。「横のベンチで寝ているおっさんが両替屋だから替えてもらえ」と言われたので、そこで全てのエジプトポンドをスーダンポンドへ替えて、入国税を払った。レートは100エジプトポンドが125スーダンポンド。公定レートよりも1.5倍は良い計算になる。闇レートのあるスーダンではATMは使えないので、この現金のみでスーダン滞在を乗り切らなければならない。
とりあえず、ダメもとでイミグレに100ヵ国記念の写真を撮りたいと頼んでみると、みんな出てきて並んで一緒に写真撮影をして祝福してくれた。写真は一緒に撮ってとは頼んでなかったがなんかスゴいいい人たちだ。国境はたいてい写真不可なのに。「本当は国境のゲートで取りたいんだけど?」と頼むと、「オッケーだ。行ってこい」と言う。バックパックを置いて、早歩きでアスワンで買ったパーティー用三角帽と自作のボードを持ってゲートへ向かうと兵士に止められる。「なにやってるんだ!」「スーダンで100ヵ国なんだ。国境で記念撮影したい」「100ヵ国か!スゴいな!撮れ撮れー」兵士もスゴいいいやつだ。スーダン国旗の上に`祝100ヵ国'と書かれた段ボールを見せるとみんな喜んで笑ってくれる。遠くの兵士もみんな興味津々だ。
綾ちゃんとショウくんに頼んで写真とムービーを撮ってもらい、最後にみんなで一緒に国境を歩いて渡るムービーを兵士に撮影してもらった。これは兵士の技量不足で途切れた映像になってしまったが、「シュクラン!」とお礼を行ってイミグレの建物を抜けて外へ出た。
これでついに100か国目スーダン入国だ。すでに4年近くを旅に費やしている。始めてパスポートを作った時にまさかこんなに旅する人生になるとは思いもしなかった。スーダンはきっと良い思い出の国になるだろう。今夜は絶対肉を食おう。
ワデイハルファの町には夕暮れ時に着いた。宿を探す前に近くの岩山に登り、スーダンで始めての夕日を眺めた。スーダンは本当に何もない乾燥した所だ。ワデイハルファの町はお世辞にもキレイではなかったが、夕日で町は赤く輝き始めた。まるで祝福を受けているようで気持ち良かった。
宿は3軒ほど回って、一人20ポンドで屋外のベッドに寝ることになった。星を眺めながら寝れるとは贅沢だ。水は錆びたドラム缶に貯めてあるのを使うしかなく、トイレに行くときにはそれを汲んでもっていく必要があった。こんなにプリミティブな宿は久しぶりだ。今夜はきっと星がすごいだろーなーと寝袋をベッドの上に広げた。スーダンが101ヵ国目だったと気がついたのはスーダンを出て、しばらく後のことだった。