2015/MAY/23 「船上の夕日」

デンパサールには結局3泊したことになる。最初に泊ったときは値段が気になり、よく思えなかったNakura Familiar Inn は最終的にはとても快適で、出て行くのが惜しくさえなった。昨日の昼に洗濯した服とタオルがなぜかまだ乾かないので12時のチェックアウトまで乾かして出ることにした。

サービスで付けてくれると約束してた朝食はインドネシアスイーツの盛り合わせだった。寒天やら餅、豆、米を固めたものなど数種類の上にココナッツの粉がかかっていて強烈に甘い。とりあえずお湯をもらい、持っていたインスタントのブラックコーヒーを入れて相殺して平らげる。荷物を整理して写真をアップしてからスタッフにパダンバイ港までの行き方を聞き、12時過ぎに宿を出た。


前回同様、宿を出た角からベモを拾いウブンバスターミナルへ。案の定、入り口で客引きに囲まれるが一切無視。中へ突き進む。適当な人を捕まえて「パダンバイ」と言うと、ついて来た客引きがこっちだこっちだと奥へ案内する。そこには小さなバンが3台泊っていて一番手前のがパダンバイ行きだという。値段と出発時間を聞くと70,000Rs13時発らしい。宿の人は40,000Rsと言ってたので「40,000Rs だろ?」と聞くと、ありえないのジェスチャーをする。面倒なので立ち去ると、後ろから「60,000Rs?」と声がかかる。無視して歩き続けると「50,000RS?」に変わる。「45,000Rs ?」と聞くと「50,000Rsがローカルプライスだ」と引かない。まー50,000Rs でもいいかなとOK と返事をする。


インドネシアは市内バスもタクシーも長距離バスもぼってくるので移動はかなり面倒だ。小さなバンは人が集まらないと出発しないし。時間とお金の価値が先進国とは大きくずれている。


バンにバックパックを入れるとすでにひとつバックパックが置いてあり、後ろの露天の椅子にイギリス人の女の子が一人出発を待っていた。聞くともう1時間半待ってるそうだ。「どうやってロンボク島へ行くの」と聞かれて「ローカルボート」だと答えると「いくらなの」と聞かれ、「たぶん36,000Rs」と言うと「そんなに安いのか!」とすごい驚いた。どうやら彼女は少し前にロンボク島へ行った際にバスとローカルフェリー込みで300,000Rs 代理店に払ったらしい。フェリーが情報どおりなら86,000Rsで行けることになる。3倍以上だ。恐るべしインドネシア。


バスは結局一番奥のバンに変わり、13時を少し過ぎて出発した。街中を走るベモ(乗り合いバン)よりも、さらにぼろぼろのバンでがんがん抜かされながらパダンバイへ向かう。乗ってしまったのでしょうがないなと景色を見てうとうとしてると1530に港に到着した。

バンが止まると客引きが中に乗り込んできて「スピードボートか?300,000Rsだ」とすごい剣幕でイギリス人に言い寄っている。横からすり抜けて、港のゲートの中へ早足で入り、警備にチケット売り場を聞く。港は小さく難なくチケットを購入しフェリーへ。すぐに出発のようだ。


船はジャワ島への船と同じ大きさで、中はもっと簡素な椅子が並んでいた。たくさんの売り子が頭にかごを載せて物売りをしている。3人くらいに囲まれる。取り合えずコーヒーと自家製ポテトチップを値切って買い椅子に座る。「後は向こう側に着いてからだなー」と頭で考えながらポテトとコーヒーを口に運ぶ。少したつと船が動き出し、甲板からはパダンバイのビーチと町が見えた。小さくて居心地がよさそうな町だ。


とりあえず船内を歩き回ると上の階にエアコンの聞いた部屋があった。中に入るとインドネシア人が10人くらい布に包まってベンチに寝ている。極寒だ。ベンチはビニール張りでクッションが効いてるので悪くないなと思い、バックパックから寝袋を出して中に入り、ベンチで寝ることに。ちょうどいい温度で快適だ。新調したMonbelの寝袋は残念だが今のところ冷房対策としてしか使われてない。冷房対策としては高い買い物だった。

うとうとしていると窓の外が赤みを帯びていることに気がつく。「夕日が見れるのか?」と後方甲板に出ると空が夕日で真っ赤に染まっている。船の上で見る夕日はかなりドラマチックだ。海と空しかないなか夕日が刻々と色をかえて落ちてゆく。甲板はまるで劇場のようだ。


毎日盛りだくさんだ。



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