ここに来て、調子の悪かったカメラは悪化して昨日からシャッターを切ることさえ出来なくなった。ヨシ君がまったく同じレンズを持っていたので借りて着けてみると普通に撮れた。問題はレンズにあるようだ。仕方ないので昨日新市街を歩き回ってカメラの修理屋を探して見積もりを頼んできた。
明日は金曜日でまたユダヤの休息日前日なので午後からはパレスチナを除く全ての交通機関が止まる。なのでパレスチナは金曜に行くのが良さそうだ。そんなわけで今日は死海に行くことにした。朝飯を食べているとヨシ君と女の子達が降りてきて、彼らも死海に行くというので一緒に行くことになった。
明日は金曜日でまたユダヤの休息日前日なので午後からはパレスチナを除く全ての交通機関が止まる。なのでパレスチナは金曜に行くのが良さそうだ。そんなわけで今日は死海に行くことにした。朝飯を食べているとヨシ君と女の子達が降りてきて、彼らも死海に行くというので一緒に行くことになった。
女の子はシオリンと綾ちゃんといい、バックパックではなくキャリータイプのバッグで旅をしていた。シオリンは髪を赤く染め、赤いコンタクトをした子で、まるで日本にいる時のような格好で旅をしていた。綾ちゃんはシオリンとは対照的な外観でおとなしそうな広島弁の女の子だった。二人とも英語が苦手のようで常に携帯をいじっていた。イスラエルからヨルダン、エジプトと周り、そこでアイスランドを一緒に旅したという男の子と合流してアフリカを南下するという。ぱっと見、大丈夫?と思えるが旅人のブログを山ほど見ていて、もう旅しないでもいいじゃないかと思えるほど詳しかった。それなのにイスラエルの問題は何も知らないで、彼女達にとってはイブラヒムハウスはただの日本人のよく行く安宿のようだった。それでも先日ヨシ君に連れられたてパレスチナ問題を知らずにパレスチナ自治区を見に行ってきたというので驚いたが、きっと彼女達は、みんな行く所=有名=行ってみたいという考えなのだろう。本当にいろいろな旅人がいるものだ。
イブラヒムハウスを出てオリーブ山をくだり、ダマスカス門からトラムでバスターミナルへ向かった。かなりぎりぎりで調べていたバスに乗りこめた。バスはエルサレム市街地を抜け、黄土色の山の間の道をすすむ。しばらくすると左手に大きな湖が見えた。水面がぼんやりしていて、奥にはヨルダンであろう山が見えた。Suuntoの時計で標高を見ると-425mと表示されている。死海は世界一標高の低い湖だったのを思い出した。
エイン・ゲディというパブリックビーチのあるというところでバスを降りた。周りにはホステルが一軒と国立公園の入り口に売店やトイレがあるだけであとは何もなかった。ビーチに向かう道路はフェンスで封鎖されている。おかしいなと思ったが、とりあえずビーチのほうへ歩き出した。フェンスはビーチのあるエリアよりも大きい範囲をすっぽり囲んでいたので、隙間から入りビーチのほうへ歩いた。おきな駐車場と売店、トイレのような建物があったが、しばらく使われてない様子で誰もみあたらない。死海へ階段を下りていくとビーチと海岸の間のような場所に出た。だが肝心のシャワーがない。これでは泳げないなーと足だけ入ってみる。でも浮力は感じられない。舐めてみるとしょっぱいと言うより苦かった。死海は水が常に蒸発してるせいか景色がぼんやりしていてとても不思議な光景だ。まっ昼間なのに朝霧のようだ。
みんなで相談したがシャワー無しで宿まで帰るのは危険という事になり、さっき見たホステルにシャワーだけ借りれるか聞きに行くことにした。ホステルは空調が効いていて快適そうだが1泊120シュケルと高かった。シャワーを借りたいというとすべての部屋が埋まっているのでとすぐにわかる嘘で断られた。とりあえず腹が減ったので国立公園の売店までいくことにした。サンドイッチを買い食べていると空のペットボトルが建物脇にたくさん落ちていることに気がついた。トイレにひとつ持っていき手洗いの蛇口をひねると真水がでた。これは!とペットボトルに水をいれて、外に出てヨシ君に見せると「いけますねー」といい空のペットボトルをもう3本持って来てくれた。女子トイレは満員御礼で長蛇の列なので男子トイレで3本のペットボトルに水を充填した。「これでシャワー代わりにしよう」とシオリン、綾ちゃんに言って、また元にビーチへ歩き出した。
今度はみんなためらいなく水に入り、お決まりの水に浮いて本を読むポーズをとり写真を撮った。あとはみんなで浮力を楽しみながらしばらく泳いだ。浮力が強いので足が浮いてしまい、仰向けはいいが、うつぶせは背中が反って痛い。
しばらくすると近くで寝ていたイスラエル人のおっさんが向こうに泥があるぞーと言うのでついて行くと水辺の土が出ているところを掘り、その土を死海の水で揉んで泥を作ってみせた。これがマッドスパの泥かーと想像と全く違ったが、どんどん身体に塗ってみた。これで肌はすべすべになるに違いなかった。
死海からのバスは遅くまでないので日が沈むころには切り上げてペットボトルの水で身体を流した。完全に落ちてはないが宿までは問題ないだろう。
宿にもどると大学生がいて、死海に行ったんですか?と聞いてきた。彼はヨルダン側で行ったけどゴミだらけで汚かったらしい。死海からの階段を上がるときに振り返ると夕日に照らされたヨルダンの山々が幻想的だったのを思い出した。イスラエル側で行って良かった。
シオリンと綾ちゃんは大学生といろいろ話をしていたが、「話をする時にあんまりニヤニヤしないほうがいいですよ」と言われて凍り付いていた。29歳の女の子達が21歳の学生にだ。恐ろしい大学生だ。