今日はバスでテロ予告の出ているエイラットへ行き、なるはやで国境を越えてヨルダンへ入る。ヨルダンのアカバからぺトラのあるワディ・ムーサへのバスに乗るには早朝に出る必要があった。8時発のバスに乗るためにイブじいの息子の車でバスターミナルへ送ってもらうことになった。
バスターミナルに着くとなんとチケットは売り切れで10時のバスしか乗れないと言われた。こんなにたくさんの人がバスで移動するとは思わなかった。仕方なくターミナルのカフェで時間をつぶす。エスプレッソとブラウニーを食べた。
バスは快適だったが予想通りアカバ13時発のバスには間に合いそうもなかった。エイラットのバスターミナルに着くとシオリンと綾ちゃんには「先に通りに出てタクシーを捕まえておく」と伝えてゲートを出た。通りにはタクシー数台が停まっていたがローカルもどんどん捕まえるので少し手間取った。二人を探すと二人して下を向いて携帯に見入っていた。そういうことだと誘拐されるぞと思ったが、二人を呼んで早くタクシーに乗るように伝えた。テロ予告が出ているのでエイラットは駆け抜けたかった。
15分も走るとイスラエルのイミグレーションの前で止まった。これでもうテロは心配ないだろうと安心した。出国税を105シュケル払い、あまった小銭でスプライトを買った。出国スタンプはなく、入国のときに貰った紙を回収して終わり。そのあとは歩いて国境を渡った。殺風景な国境だ。グッバイイスラエル、ハローヨルダン。
ヨルダンのイミグレにパスポートをわたすと入国スタンプを押された。これが唯一イスラエル入国の痕跡になるがイスラエルのスタンプが押されるよりはマシなはずだ。次に綾ちゃんがパスポートを渡す時にシオリンは「ここも確か別紙にスタンプを押してもらえるとブログに書いてありました」と言った。そうなの?なんで俺がパスポート出す前に言ってくれないの?と思ったが綾ちゃんがイミグレに聞いてみると「何故押したくないんだ!」と威圧的な返事が返ってきた。やっぱりダメなのかなーと思うとその後、緑色の紙が出てきて記入するように言われた。そして隣の部屋の偉そうな人に確認した後、その緑の紙に入国スタンプを押してくれた。シオリンも同じことをしてもらい、結局俺だけパスポートに押されてしまった。「えーー!そりゃーないよー。俺のも別紙にしてよー」とゴネるとパスポートに押されたスタンプの上からさらにスタンプをゴリゴリと押してなんだか分からないようにしてくれた。これはかなり不自然でスタンプ自体は残っているので微妙なラインだが、そのままスタンプがあるよりはいいはずだ。。
イミグレを出るとタクシーの運ちゃんたちがやってきて、アカバからのバスはもう無いといった。確かにバスは13時発でないのでここはタクってワディ・ムーサへ行くかタクってアカバの町へ行き明日のバスでワディ・ムーサに行くかしかない。宿代を考えればワディ・ムーサへ言ったほうが良さそうだった。値段は50ディナールだというがすぐに45に落ちた。「40ならワディ。ムーサへ行く。嫌ならアカバまでだ」と言うと折れてくれた。
タクシーはガンガン飛ばして、砂漠の真ん中の道を夕日をバックに走った。赤く染まった岩山はキレイでドライブのようだった。陽気な運ちゃんは途中のみやげ物屋で止まり、その屋上で写真をとるといいと連れて行ってくれた。
ワディ・ムーサの手前の村で何故か道をそれて路地に入っていき、一軒の家に着いた。そこは彼の家だといい、後でバーベキューをしようといいバーベキューセットを積み始めた。「腹は減ってないからいい」と断っても「いいからいいから」と言いホテルに着くとまた「今から近くでバーベキューをしよう。お金は取らないから」とひかなかった。だいぶ怪しくなってきたのでタクシー代を払ってレセプションに駆け込んだ。中に入るまで後ろから話しかけてきてしつこかった。レセプションのオヤジはそれを見て「ヨルダンではタダのものは無いよ」と言った。
夕食の後、シオリンと綾ちゃんは明日ぺトラ遺跡に行く前にインディージョーンズが見たいといいだした。ぺトラはインディージョーンズ最後の聖戦のロケ地だった。そういう客が多いのか宿にはDVDがあり見始めたが、英語だったのでシオリンと綾ちゃんは終始うつむいて携帯をいじっていた。宿のオヤジは100回以上見てるらしく、殆どの台詞を覚えていて、俳優が話す前にすべて台詞を言ってのけたが、映画鑑賞には邪魔でしょうがなかった。