朝起きて、昨日見たディート50%の虫除けスプレーを買いにいった。こんな強い虫除けは日本では見たことがない、さぞかし肌に悪いのだろう。でもアフリカではきっと役立つことだろう。帰りにスーパーでクッキーとリンゴ、白ワインを船中用に買った。
宿に戻って、レセプションに電話を借りてSalamis Shippingに電話をする。アテネからイスラエルへの船は貨物船しかなく、キャビンはトラックのドライバー優先なので当日まで乗れるかはわからないといわれていた。電話にはメールでやり取りしていたカズレリという女性が出て、今日の船に乗れると教えてくれた。今日乗れなければ1週間待たなければいけなかったのでホッとした。
イスラエルの宿を調べてから荷詰めをした。イスラエルは物価が西ヨーロッパ並みなのですこし気が重くなった。宿をチェックアウトするとついにヨーロッパから中東へ入るのかーと感慨深かった。先週同じ船に乗ったホンダさんからはキャビンのホットシャワーの出が良いと聞いていたので楽しみだ。
ラブロン港へは市内からバスで2時間で、アテネの3つの港の中で一番遠かった。ラブロンの町中でバスは終点だったが、運ちゃんに港へ行くと言うと、任せておけ的な感じで港まで乗せてくれた。ここからは貨物船しか出てないので、トラックしか見当たらなく、かなり殺風景な場所だ。サラミスのオフィスはコンテナハウスで2人の男がお茶を飲んでいた。今日の船に乗ると言うと、パスポートのコピーを2枚くれて、1枚は港の入り口で、もう1枚は船のキャプテンにわたすように言われた。
港にターミナルはなく、コンテナの間を歩いて船までたどり着いた。サラミスの船はすごい大きさで40ftコンテナが横に7列、縦にも8列くらいは入りそうな内部空間があり、上のデッキにも同様のスペースがあった。船のスタッフに話すとキャビンに案内してくれて、設備や食事の説明をしてくれた。キャビンはシャワー付の個室でベッド、クローゼット、机があり、快適そうだった。
オデッサで会った本田さんは少し前にこの船に乗ってイスラエルに渡ったが船の中にPatagoniaのジャケットを忘れてきてしまったらしい。もしあればもって行くと約束をしていたのでスタッフに「先週乗った日本人がジャケットを忘れたらしんだけど見かけた?」と聞くと見てないと言う。「彼はどの部屋に泊ったの?」と聞くとそこへ案内してくれて、扉をノックした。中にはすでに乗客がいたが、扉を開けると黒いジャケットが壁にかかっていて、「クローゼットの中にあったよ」と教えてくれた。これで本田さんにもう一度会うことになりそうだ。
船内を見て回わっていると、休憩中のスタッフに「バングラディッシュか?」と話しかけられる。今まではネパール人に間違われることが多かったけどバングラディッシュは初めてだ。「日本人だよ」と答えると「ハイファに行くのか?」と言うので「そうだよ。車はないけどね」と言うと、「じゃーなんで船で行くんだ?」と不思議がる。飛行機のほうが安くて、早いので的を得てはいる。少し考えて「旅には情緒が必要だよ」と答えた。彼らはエジプト人だと言い、この船のスタッフはキャプテンと数人を除いてすべてエジプト人だと教えてくれた。
夕食は5時から6時なので食堂へいくと、すでに料理がテーブルに並べてあった。食事はかなりのボリュームだ。本田さんからは昼と夜はビールが出ると聞いていたが、テーブルには良く冷えた7UPが置いてあった。ドライバーは思ったより少なく、テーブルには5人しかいなかった。他にも3から4人いて全部で10人弱だ。太ったドイツ人はクロアチア人の相棒とイベント用のトレーラーでイスラエルをインテルのイベント設営のために周るという。彼らのトラックは内部が展示ブースで、側面が開くようになっている特別仕様だ。ハンガリー人のドライバーはキプロスのスポーツイベント資材を運んでいるという。照明の運送が遅れていて、キプロスに着いてもしばらく待たなければいけないとボヤいていた。さらに太ったオランダ人ドライバーは66頭の豚を運んでいるといった。ブランド豚で毎日様子を見る必要があるらしく、トラックもセミオープンのため、豚の匂いがデッキまで届く。彼がキプロスで降りると聞いて安心した。イスラエル人の男はピックアップトラックにバイクを積んで、アムステルダムからスペイン、モナコ、イタリア、ギリシャと旅して、イスラエルの家族に会いに行くと話した。みんなフレンドリーでなかなか楽しい船旅になりそうだ。
キャビンのシャワーは聞いていた通り力強く、実に気持ちが良かった。アテネで買った白ワインを飲みながら明日はあの豊富なお湯で洗濯だなと考えた。
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