昨日は国に対するストライキがあり、バスなど交通機関が停まっていた。その日はぺトラをまた観光したから特に影響は受けなかったが、今日動くのか不安だった。
朝、宿のオヤジに話すとバスは問題ないといい。しばらくするとホテルまでバスが来た。ヨルダンにはぺトラとワディーラムという観光名所があり、後者はそれほど興味は無かったが、シオリンは「友達がそこで見た星空がアメリカのプラネタリウムよりもすごいといってたんですよ」とまったく説得力のないことを言ってきたので行くことにした。
バスはラム村まで行き、そこでツアー会社に行き他のツーリストとジープでワディーラムの見所を回るというツアーに参加したこれらはすべてぺトラの宿で手配したものだ。他にはルーマニアのカップルとニュージーランド人とメキシコ人カップルが一緒だった。ルーマニア人女性は見所についてもあまり出歩かず、楽しんでいるようには見えなかったし、途中からは話もしなくなった。ここまで来て楽しめないのは辛いだろう。ニュージーランド人の青年は毎年冬に野沢温泉スキー場で働いているといい、彼女もとても好感が持てて、一緒に回っていて楽しかった。
ガイドは厳格なモスリムらしく、ツアーの途中でも祈りの時間は砂の上で礼拝をした。砂丘や岩のブリッジなどの見所を見た後、今夜の宿泊場所のベドウィンのテントキャンプについた。テントはツアー客用に個室になったしっかりした骨組にテント地を張ったものだったが、食事用のテントは本物っぽかった。
みんな疲れていたので3人でテントで横になっているとまんまと夕日を逃してしまった。あわててテントを出ると赤く染まった岩山と目の前にあり、暗くなるのをすわって眺めた。どの砂漠でも夕焼けの時間は例外なく綺麗だ。1時間もすれば終わってしまうこの景色はまるで無声映画を見ているようで、じっと見入ることができた。夕食の時間になり食堂テントで皆でご飯を食べ、ベドウィン楽器演奏を聴き、またテントに戻ろうと外へ出ると空はすでに星空だった。ただシオリンの言うアメリカのプラネタリウムよりいい星空は天気と月のせいでアメリカのプラネタリウムには到底およばないようだった