2015/OCT/18 「NATO空爆の痕」

ベオグラードは朝霧に包まれていた。駅は一国の首都の駅にしては、線路が草ボウボウで驚いた。ベオグラードにも10年以上前に来たことがあったが、町の記憶はあまりなかった。このまま、モンテネグロ行きの列車に乗る予定だったが、ベオグラードを思い出すために1泊することにした。

駅から真っ直ぐ伸びる道をすこし進むと、NATOに空爆されて崩壊したビルが見えてきた。それは十数年前も全く同じ姿だったのを思い出した。セルビア国防省ビルだ。
このまま広島の原爆ドームのように保存されるのだろうか?

確かにベオグラードの観光名所と言えば、NATOに空爆された建物たちだ。中でも誤爆?された中国大使館は有名で、誤爆は意図的に行われたと議論を生んだが指揮官が謝罪し、古い地図を使っていたと釈明したらしい。そんな話で納得する人がいたのだろう。

Wifi
のあるカフェで急遽探したCapital Hostelは快適で、日本人が二人もいた。一人は日本を出て4年経つという女の子で、もう一人はベオグラードで彼女が出来たので、もう1ヶ月もベオグラードにいるという男の子だった。男の子はやることも無いので、5回も宿を替えて気分転換を図っていると言い、ここが一番いい宿だと教えてくれた。1泊5ユーロはウクライナを除けば東ヨーロッパでは最安値だ。

宿ですこし休んでから、町を歩きに出た。10数年前に来たときはあまり雰囲気が良くなかったが、今は街並みは綺麗になり、通りは人で溢れていて西側の国のような雰囲気だった。ほんの20年前まで内紛をしていたとは思えないくらい人々からは笑顔が見える。まるでようやく訪れた平和を満喫しているかのように。










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