2015/OCT/19 「セルビアの列車」

今日はモンテネグロのポドゴリツァに移動なので、朝7時半に起きて、朝食をとり、電車の中で食べる用にサンドイッチを作った。10時間と聞いていたので、リンゴや菓子パンと白ワインも一本買っておいた。荷物を纏めていると、日本人達も起きて来て、別れを惜しんだ。宿を出て歩いて駅に向かうときに二人は窓から手を振って見送ってくれた。

途中、駅のすぐ脇のバスターミナルで大勢の人がバスに詰めかけているのが見えた。シリア難民だ。オーストリアの国境が通過人数制限をしているので、彼らはここからクロアチアを目指すのだろう。頑張ってくれ。

町ではシリア難民は見かけなかったが、泊まったホステルはすこし前シリア難民でいっぱいだったらしい。6人ドミに11人詰め込んで、しかも一人あたり通常の数倍の金額を取ったと宿主はウハウだ。セルビア人は容赦ない。

駅に着くと、電車は既にホームに留まっていたのですぐに乗り込んだ。セルビアの電車は一面にスプレーの落書きがされていて、どの車輌もヒップホップだ。

9:10
に電車はベオグラードを出発した。景色が有名な列車らしいがあいにくの雨で、何処がいいのか分からないので、ワインを飲み始めた。コップを出すのが面倒でラッパ飲みで飲んだが、他の乗客の視線がすこし痛かった。

昼過ぎに電車は駅でもないのに止まってしまった。みんな空気を吸いに外に出た。他の乗客がエンジンが壊れたのだと教えてくれた。ポドゴリツァから新しいエンジン車輌が向かってるらしい。

30
分くらいして、新しいエンジン車輌が来たようで出発した。だがスピードは全く上がらず、道を走るトラックにバンバン抜かされていく。景色を見る限り30kmも出てなさそうだ。
そのまま走り続けたが、夕方に小さな駅で停車して動かなくなった。さっきの乗客が新しいエンジンも壊れたと教えてくれた。本来ならあと一時間で着くはずだが、まだセルビア国境にさえ至ってない。セルビアの鉄道は脆弱だ。

どうすることも出来ないので、新しいエンジンが来るのを待つ。セルビアの列車は整備が本当に悪い。車輌のトイレは酷く、どのトイレも詰まっていた。トイレから戻った外国人達からは決まって「ディスカスティング!」という声が聞こえた。

一時間以上も待ったが、結局このまま国境を越えて、モンテネグロ側でエンジン車輌を変えることになった。夜の8時半に入出国検査があり、9時にモンテネグロの最初の町に着いた。そこで待機していたエンジン車輌を繋げて、再出発した。列車は嘘のようにスピードをあげ、道行く乗用車をバンバン抜かした。ガタンガタンという線路の音も聞き覚えのあるリズムに戻った。安心感のあるいい音だ。

11
時をすこし回ったくらいに沿ドニエステル共和国に匹敵するくらいショボい駅に着いた。モンテネグロ首都のポドゴリツァだ。白ワインはまだあと2センチくらい残っていた。








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