2016/APR/4 「退院」

入院4日目。昨日、肝機能のテストのためにまた採血をした。これで異常が見られなければ退院できるらしい。二日前の夜から入院以来、1日4本うっていた点滴を止めたので、のどが渇く。病院には売店がないので、飲み水が無くなり水分を取ることができなくなった。何度水がほしいと言っても、たらい回しにあうし、分かったと返事した看護師は皆、戻ってはこなかった。このままでは脱水症状で、また点滴が必要になってしまう。

医者の判断では肝炎だが、どのタイプかは特定できてないという。B型とC型ではないということがテストで分かったが、この病院では何故かA型のテストができないので、外部に依託したので時間がかかると言う。もう4日もたつのに原因が判明できないのは、この病院のの限界を感じさせる。

売店もなく、TVも設置されてない病院ではやることもなく、隣の患者は喉から管をだしていて世間話どころではないのでやることがない。ただただ時間が過ぎるのを待つ日が続いていたが、昨日看護師が病院の事務室のスタッフ用Wifiのパスワードをこっそり教えてくれたお陰でネットが使えるようになった。ただし、病棟の外のベランダでないと入らないので雨が降ると濡れるのを覚悟しなければならなかった。

肝機能の数値はまだ標準値とはかけ離れていたが、最初の検査のときの数値の半分くらいまで改善していた。医者は退院の許可をくれ、「引き続き食べ物に気を付けて、安静に旅を続けてくれ」と言った。肝機能が低下して脂肪分の高いものを食べられない患者に毎食500mmリットルの牛乳を出す病院が食べ物の心配をしてくれるのには驚いたが、それ以上に安静に旅を続けるほうが無理難題に聞こえた。


メディカルレポートには結局、「病名はmost probably hepatitis A」と表記された。つまり、原因を突き止めるには至らなかったということだ。

朝に退院許可が出てからは、退院までにまた不毛な時間を過ごさなければならず、最後までアフリカの病院の手際の悪さを見せつけられた。看護師は「昼御飯も食べていけばいいじゃない」と呑気だった。初日の夕飯で頼んで除いてもらったマトケ(甘くないバナナ)は、その後復活をとげ、毎食、皿の三分の一を占めていた。毎回意思表示のためにマトケだけ残していたが、その後取り除かれることはなかった。


病気になるならご飯の美味しい国がいい。





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