フォートポータルへ来たのはピグミーの村を訪れるためだ。ピグミーとはコンゴ、ウガンダに住む背の低い狩猟民族で、昔、コンゴに住むピグミーの本を読んだことがあり、最後の狩猟民族と呼ばれるそのピグミーに是非とも会ってみたかった。
ピグミーの村はフォートポータルからは、乗り合いバンで2時間ほどいった場所にあり、日帰りで訪れることができる。その村は元々そこにあったわけではなく、政府が決めた場所に移住させられてきたらしい。つまり観光用ピグミーだ。
乗り合いバンを降りた街道から、2キロほどのとこにウガンダ人の村があり、その端に鉄条網で囲まれたピグミーの集落があった。まるで動物園のようだ。なぜ鉄条網で囲う必要があるのか疑問だ。
村の中に入るとすぐに男が寄ってきて、「見学にきたのか?」と言ってきた。奥に通されて、簡単な説明をされ、「入村料は70,000シリングだ。」といった。高い!20ドルくらいだ。でもその後ディスカウントするとあっさり17,000まで下がった。あの強気な言い値はなんだったんだ。
ピグミーは成人でも150cmくらいと背が低い。小さいおじさんがたくさんいて、小人の国にきたようだ。村にはたくさんの子供もいて、彼らは外国人に興味しんしんでカメラの前から離れない。ただ、すぐにお金お金と言ってくるが。女の人たちはまったく興味を示さないで、家事をしている。試しにチャパティを作っている女性に挨拶してみると、「1000シリング」という答えが返ってきた。
ここのピグミーは畑を持っておらず、このあたりでは、とても狩ができそうには見えないので観光客からのお金で生きているっぽい。タイの首長族の村も似た感じだった。ここで暮らすことが幸せなのか分からないが、建物の配置が規則正しいのと村が鉄条網で囲まれているので、強制収容所のように見えてかなしい。ここに来ても彼らの文化的なものはとくに感じないし、森で暮らすピグミーの姿とはかけ離れていることだろう。これなら無理にここに住ませずに、森のなかのピグミーを訪れるツアーをつくったほうがよっぽどいいと思う。