2016/FEB/22 「旅で役立つ職業」

今日、ナイロビに戻ることにすると話すと、エンブの町へ買い物にいく時にマタツ乗り場まで車で送ってくれるということになった。

朝、仁朗くんが朝食に呼びに来てくれて、永江くん、ユウジロウさん、カロさん、塩尻さんと朝食を食べた。ユウジロウさんはヨーグルトとマンゴーのシェイクをミキサーで作ってくれた。アルジャーラという舌に刺激のあるケニアのヨーグルトと甘いマンゴーの組合せは抜群に旨かった。ユウジロウさんも仁朗くんと同じ、天理教の宣教師で実家が教会なので跡取りだという。すでに10年連続でこの施設に来ていて、スワヒリ語もぺらぺらだった。

塩尻さんは朝食のあと、自身で施設の案内をしてくれ、オフィスでも色々と話をしてくれた。オフィスの階段からはうっすらとケニア山が見れた。頂上には飛び出た岩のような山頂があり、登頂には登攀技術が必要らしく、普通の人はその下で登頂とするらしい。いつかあそこまで登ってみたいなーと思った。

エンブのマタツ乗り場まで送ってもらうと、ユウジロウさんが運ちゃんに値段交渉してくれた。マタツは人が集まると、その場を離れた。もう少し、ここにいてもいいかなと思っていたが、日本から来ているボランティアは施設にお金を払っていると聞いて、タダで長居させてもらうのはまずいと思って、早く出ることにした。なにかしてあげられることがあればと思ったが、ここには建築士は必要とされていなかった。

旅をしていると、何か自分ができることはないかと思うことが結構あるが、設計という仕事はそれほど役に立つことはない。構造や設備ならまだあるかもしれないが、意匠設計は先進国以外で役に立つことの少ない能力なのかもしれない。アフリカではまず、建てられるということ(構造)、それが使えるということ(設備)が優先で、意匠についてはどうでもいい感じだ。強いて言えば建物の色くらい。つまり塗装。まーナイロビのような都会の立派なビルやホテルなら意匠という考えも出てくるだろうが、旅でそういう関係者には会うことはない。会うのはごく普通の人達だけだ。じゃーどんな職業が役立つのか?やはり医者だろう。医者はどこでも大歓迎。でも意外といいなと思うのはパン屋とかケーキ屋だと思う。アフリカは何処もパンが不味いし、ケーキは、もはや異次元の食べ物だ。ちょっとオシャレなカフェがあっても、ケーキが酷いということが多々あった。彼らに美味しいパンやケーキの作り方を教えて旅すれば、アフリカのパンのクオリティーは格段に上がるはずだ。何より建築のような莫大な投資が必要なわけではないので、みんな実行するだろう。

マタツ乗り場から歩いて、ニューケニアロッジに戻ると宿には大勢の日本人で溢れていた。ナイロビはアフリカ縦断の南下組も北上組も必ず通る要所で、日本人は皆、ニューケニアロッジに泊まるので、ここには日本人が次々とやってくる。ここは周辺国のどこの都市より快適なのでついつい長居してしまうのだろう。まだ、ドミのベッドは空いていたが、今日はこのまま夜行バスでモンバサへ向かってもいいかなーと思った。








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