2016/APR/24 「マゴロゴロゲストハウス」

ザンジバルには日本人がよく行くビーチが2つあり、そのひとつ、島の北端に位置するヌングイには、キッチンの使える宿があった。ここへ来る日本人達は漁師から魚を買って、調理して食っているというから楽しみにしていた。漁師からマグロを買って刺身を作ってやろうと、ダルエスサラームからわざわざ醤油を買ってきていた。

ヌングイに着いてみると、思った以上に小さな町で、思った以上にひなびていた。雨季ということもあり、観光客も殆ど見かけない。目当てのマゴロゴロゲストハウスには客引きの案内で簡単たどり着く事ができた。

宿は3人の兄弟でやっているらしく、長男らしき男がテントを張る所を用意してくれた。ロビーの2階で屋根があるので、雨季でも雨の心配はなさそうだ。

その後、宿を案内してもらったが、かなり荒れていた。ロビーも靴を脱いであがらせるのに、汚すぎて足の裏がホコリだらけになる。噂のキッチンはさらにひどく、洗ってない鍋や、皿が散乱していて、床もベトベトだ。調味料などもない。冷蔵庫は壊れていて、棚として使われていたが、中が汚くて、棚としても失格だった。

三兄弟はフレンドリーだが、従業員がいないので、掃除も気が向いた時しかしない。客もいないので、お金が無く、前払いした宿泊代で水道水とガスを買うという有り様だった。テントの中以外は何処も外部なので蚊が大量にいて、彼らはマラリアはないと言うが、そんなわけない。蚊がひどいと言うと、これを塗れと塗り薬のような物をわたされたが、どう見てもただのワセリンだ。こんなものでは蚊は防げるはずはない。

なぜ、こんな宿に皆来るのか理解不能だ。ビーチまで、遠いし、町の中心にも遠い。宿に至る道は雨で氾濫しているし、晴れてても獣道みたいなものだ。

ヌングイのビーチはそこそこ綺麗だが、このくらいのビーチは世界に五万とあると思う。ビーチ沿いには高級から中級ホテルが建ち並んでいて、それらに泊まっていれば、ヌングイはとても良いところになったのかもしれないが、マゴロゴロに泊まって自炊生活をしていると、ヌングイはどうでもよいビーチ沿いの村のひとつでしかない。

バックパックを背負って旅をしていても、ビーチリゾートに行くときは、すこしお金を出して、ビーチ沿いのすこしキレイなホテルに泊まったほうがいいと思う。割りきって楽しんだほうが、よい思い出が増えるし、楽しかったと思える場所が多いほうが、後で旅を思い出した時、また楽しいと思えるはずだ。








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