2016/MAY/22 「続アフリカで一番の海」

イボ島はわりと大きな島で、町があるのは南西部の海岸沿いで、それ以外の場所には島民が散らばって暮らしているらしい。町を歩いているた人がいないので、人口7000人と聞いても信じられなかった。島では漁以外の産業はなく、殆どの物を大陸から輸入している。と言ってもこの島ではたいした物は手にはいらない。数少ない商店には限られた物しかなく、野菜は各家庭が庭で作って余ったものが、通りで売られてる程度だ。

この島には1500ドルもする超高級ホテルがあり、そこには白人が泊まっていた。確かに良さそうなホテルだが、そもそもイボ島にそんな値段の宿があること自体がやり過ぎな気がした。

目の前の海は引き潮になると、遥か遠くのキリンバ島までマングローブ林を通って歩いていけるという。マングローブの土壌は泥のようで、引き潮の時の浜辺はあまり良い景観とは言えなかった。

宿には他にフランス人とハイチ人カップルがいて、両者ともNGOで働いているという。他にももう一人フランス人の大学生がこの島のNGOで働いていて、道で出会った。大学のカリキュラムで、NGOで働いて単位を取れるらしい。ヨーロッパはアフリカでのNGO活動が盛んだ。

その大学生に教えてもらった、ドイツ人がやってるホテルに観光情報を聞きに行ってみることにした。ホテルのオーナーは親切な人で、幾つか島からダウ船(帆船)をチャーターして行ける場所を教えてくれた。そのなかにはサファリの情報ノートにあった、干潮時に現れる砂の島 も含まれていた。舟の相場は3000メティカル位だといい、知り合いの船長を泊まってる宿まで夕方に出向かせるよう手配してくれた。

帰りに漁師の引き上げてくる浜辺や要塞、市場を見て宿へ帰った。宿に戻り宿のオバちゃんに海の砂丘に行く話をすると、メニューのような紙を持ってきた。そこには宿代、飯代が書かれていたが、裏返すとツアーメニューがあり、海の砂丘もあった。キリンバ島や海の砂丘は1500メティカルで、遠くの島に行くのは3000~のようだ。これだと聞いていた相場より遥かに安い。

聞いていた時間より一時間くらい遅れて船長がやって来て値段交渉すると「そんな値段では行けない」という。宿のメニューを見せるとオバちゃんがやって来て、何やら船長に激しく言葉を浴びせている。しばらくして、船長は「明日の朝、七時半」とだけ言って、帰ってしまった。まー話はついたということだろう。

オバちゃんに「シュノーケルはあるのかな?」と聞くと「自分で用意しないとダメだよ」と言うので、町に探しにいった。ドイツ人の宿に戻り借りれるか聞いてみたが、明日は予約があると断られた。道の子供に案内されてシュノーケルを持ってるという村人を訪ねるが、二軒回って両者とも持ってなかった。最後に帰り道にある、ラウルというオジさんの家で聞いてみることにした。

ラウルは50くらいのポルトガル人の血が混ざったモザンビーク人で、この島では珍しく真っ黒ではなかった。彼は倉庫に色々な物を持っていて、シュノーケルもたくさん持っていた。自称ガイドで前にも日本人をガイドしたと、喜んで貸してくれた。値段も150メティカルとドイツ人の所で借りる半分で済んだ。

ラウルは「昔、ガイドした日本人が本人が書いた本を置いていったから、明日帰ったら見に来るといい」と言ってくれた。これで明日の準備はできた。アフリカ一の海が見れるといいが。













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