2016/MAY/2 「マダガスカルへの海路」

ハジさんの家からストーンタウンに戻ってきた。モザンビーク大使館は祝日のため閉まっていて。翌日出直すことになった。

ザンジバルを出る前に、以前、噂で聞いていたマダガスカルへの海路について調べることにした。ザンジバルからコモロ諸島へ貨物船で渡り、そこからさらに貨物船でマダガスカルの北部を目指すというものだ。コモロで船が見つからないと10日以上待つという書き込みを見た。ネットでどんなに調べても、最後にそのルートをたどった人は10年も前のブログしか出てこなかった。これ以上は港で聞き込みをするしかないと思い、行ってみることにした。

フェリーターミナルで聞いてみると、そんなものはないと言う。貨物船なのでここではないだろうと、奥の港の貨物入り口へ向かう。ゲートの中にはフェリーのチケットオフィスが幾つかあり、その奥にさらにゲートがあった。しかしこの先には関係者しか入れないと言われ、「コモロへの船を捜している」と聞くと、海運会社で聞けと言われた。

フェリーターミナルのすぐ近くに一つ海運会社があり、とりあえず入って聞くと偉い人の部屋に通された。なぜ偉い人かわかったかというと、彼の部屋だけ冷房が効いていたからだ。コモロへの船を聞くと、その人は「10年前くらいまではあったが、不定期で今はほとんどない」と話した。「前にザンジバルに来たのは2ヶ月前で、次にいつ来るかはわからない」という。いつ来るかわからない船をここで待ち続けるのはシンドイと思った。彼は「コモロへの貨物船は今はダルエスサラームから出ているはずだ」というので、ダルエスに戻って、船探しをすることにした。

港の先には魚市場があり、その奥が漁師の船着場になっていた。ちょうど漁からダウ船が戻ってきたようで、敷地に入るとすごい賑わいだった。手前では魚を並べて売っている人がいて、目と鼻の先に水に浮かぶダウ船に大勢の人が歩み寄っている。すこし高くなった堤防の上にはそれを眺めている人もたくさん入る。頭にタライを載せて腰まで水に入ってダウ船からわれ先にと魚を買っている。船の上も人でびっしりで、転覆してもおかしくない。しばらくそれを眺めていると、船から買ったタライいっぱいの魚を運んだ人が、浜辺でそれを広げて売り始めた。どうやら手前のほうで魚を売っているのは漁師ではなく、漁師から魚を買った仲介の魚屋のようだ。たった100mくらい先の船で買った魚を売るという、仲介の距離が子近距離すぎる。せめて市場までもっていって売ればいいのに、これなら皆、船から買うだろう。その後、ストーンタウンの市場も見に行ったが、ここのほうが、はるかに面白かった。

夕方に博物館の屋上に上ると港が一望できた。大きな貨物船もみえたが、それらは中東への船だと聞いたいた。ここで船が見つからなかったのは残念だが、まだダルエスでコモロ行きの船が見つかる可能性が残ったので気分は前向きだった。







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