2016/JUN/15 「ポーター ボンフェス」

朝7時にポーターのボンフェスが宿にやって来た。登山口にある事務所で昨日登録をして、ポーターを一人雇ったのだ。ポーターは120ドルでガイドは25ドルだった。マラウィのポーターは皆英語が話せるので、ガイドと変わらない。実際、殆どの人は仕事がないので、ガイドでもポーターでもやる。違いはガイドだと荷物を持たないのと値段が少し高い。これではガイドを雇う人はいないだろう。

ボンフェスに背負ってもらうバックパックを見せると、え!こんなに背負うの?みたいな反応を示した。「大丈夫?」と聞くと「ノープロブレムだ」と言った。昨日、ルクブラ村に着くなり、たくさんの自称ガイドが寄ってきて、「俺を雇ってくれ」としつこかった。彼らは皆、子供で信頼がおけなかったが、管理事務所で紹介されたボンフェスはわりと歳を取っていてベテランらしく安心していた。

登山口へ歩いているときに「どれくらいの頻度で登ってるの?」と聞くと「良くて、月に1度」と答えた。それではとても食べてゆけないだろう。他の時は何をしてるか聞くと「家で野菜を育てたりしてる」と言うが、外に売るほど作ってるわけではなく、家族で食べて終わりだという。彼から見れば、この三日間で得られる60ドルは月に一度の貴重な現金収入だ。

緩い登り坂をボンフェスはかなり早く歩いて行く。やはりポーターは違うなーと思ったが、すこし進んで急な登りに入ると、やたらと座り込んで休憩を取るようになった。しかも、かなり辛そうだ。よく考えると、月に1度しか登ってないので、体力もあるわけない。ここの人たちが休みの時もトレーニングしてるとは思えない。ベテランっぽくて安心してしまったが、歳をいっているのが完全に裏目に出た。ボンフェスはその後もたびたび座りこみ、休憩の時間も長くなる一方だった。

長い長い登りを登りきると、開けた盆地に出た。盆地の回りには山が見える。ルクブラから1000mくらいは上がったはずだが、そこには緩やかな起伏の草原が広がり、そのなかを川が流れている。まさかあの大きな岩の上にこんな景色があるとは思わなかった。目の前にそびえる岩山はここから更に1000mくらいはありそうだ。丸みを帯びた岩が隆起して出来たようでカッコいい山だ。ボンフェスが「チャンベピークだ」と教えてくれた。

盆地の端を歩いて、東へ進む。緩やかな登りを越えると盆地を抜けた。そこからは一度沢に下り、そこから急登があり、更に緩い登りを歩き続けると大きな谷が見えた。

小屋はもう近くなのかと期待していたが、ボンフェスは目の前の大きなピークを指差して、「小屋はあのピークの裏側を下った所だ」と言った。全然まだまだだ。しかもかなりの登りだし。一気に疲れがでてきた。それでも横で座り込んでいるボンフェスの方がまだ疲れているが。

そうはいっても、歩かなければ着かないので、とにかく歩く。ピークの横を大きくまいて歩いていると、後ろにはチャンベピークと盆地が、空の上に浮いている大地のように見えた。不思議な地形だ。峠を越えてすこし下ると、今夜の山小屋チセポハットが見えた。


小屋には管理人が2人いて、彼らが薪を篭に入れて持って来てくれた。部屋の中には暖炉があり、そこで薪を焚いて調理すればよいようだ。マットレスが壁際に積み重ねて入り、適当に使えと言われた。水は近くの小川から取ってきたものが部屋に溜めてあった。思ってたより快適な山小屋だ。今日は早めに寝て、明日のピークハントに備えよう。

















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