2016/JUN/16 「マラウィで一番高い山」

昨夜は暖炉の火が消えると寒さで目が覚めて、それから寝ることは出来なかった。

夕飯の残りのお米をスープの中に入れて、暖炉で煮てから食べた。そらから山頂へ向かう用意をして、七時過ぎに小屋から出ると、ボンフェスが、「ちょっと待て」と芋をかじりながら話しかけてきた。ボンフェスも一緒に山頂へ行くと言い、しばらくすると準備をしてやって来た。と言っても手ぶらで、水さえ持ってない。大丈夫か?

ボンフェスは先を歩き始め、どんどん斜面を登ってゆく。目の前、右手に大きく見えるウエストピークの裏側を通って、一番高いサピトワピークを目指す。

ピークまでは殆どが岩で、途中から勾配はかなりキツくなってきた。ただし、岩肌がフリクションが効くので、トレッキングブーツがあればわりと簡単に登れる。しかし、中国製スニーカーのボンフェスはフリクションガまったく効かず、一歩一歩が真剣勝負だ。ここで転べば一気に小屋まで転がっていくことだろう。頼んでもないのに付いてきたボンフェスが落ちるのはやめてほしい。

ボンフェスは今朝から頭痛がすると言い、小屋を出る前に頭痛薬をあげて飲ませていた。頭痛は良くならないようで、休憩の数が増え、休む時間も延びてきた。そもそもポーターなんだから、小屋で待ってればと思ったが、危険だと思って心配して来てくれているので、こっちも彼のペースで登ることにした。

山頂が近づくと大きな岩が多くなり、岩の上を飛んで渡ったり、下をくぐったりした。最後の急な登りは、かなりの角度の岩にへばりついて登る必要があり、ボンフェスの靴が滑って登れないので下から尻を押して上げなければならなかった。

岩の隙間を抜けると目の前は開けて、少し進むと上に大きな岩でできた3002mの頂上が見えた。空には雲ひとつなく、濃いブルーの空が広がっていた。西側にはウエストピーク、ノースピークが見え、東側にはたくさんの頂が山脈のように広がっていた。もう高いところはない。360°パノラマだ。日差しは強いが冷たい風が心地よかった。マラウィ一高い山は思った以上に良いところだ。もう少し食料を持ってきて、4,5日かけて、向こうに広がる天空の大地を探索するのも悪くなかったなーと思った。













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