2016/MAY/23 「続続アフリカで一番の海」

思った通りに遅れてきた船長と共に宿を出て、港へ向かった。もう九時近いが大丈夫なのだろうか?イボ島へ来たときの舟と同じくらいの大きさの舟で、船長と子分のような若者がせっせと帆を張る準備をしている。風は強い。これならわりと速く着きそうだ。

帆が開くと舟はぐいぐい風に運ばれ始めた。船長は舵をとり、舟の方向をただした。干潮なので水深はかなり浅い。イボ島の周りは何処も浅瀬なので、ずっと海底が見える。

しばらくして、海底が見えなくなり、太陽に照らされながら西へ西へとすすむ。周りには幾つか島がみえる。45分くらいいったところで、砂の島が見えてきた。島は二つあり奥のは細長くかなり遠くまで続いている。島には漁師がたくさんいて、みんなで綱を引いている。

近くに寄ると舟に向かって皆手を振ってきた。海の中に延びる綱の先には舟が見えた。もう一つの島にもう同じくらいの漁師がいて、同じように綱引きをしている。どうやら綱は繋がっていて、舟が海へ網を下ろしているようだ。網を下ろしきったら、両方の島から綱を引いて魚を捕まえるのだろう。丸で海を挟んで島と島で綱引きをしているように見える。なかなか壮大な漁を思い付くものだ。綱はかなり重いようで片側10人はいるが、油断すると海へ引きずりこまれる。それでも近付くと皆手を降ったり、話しかけてきたりとフレンドリーだ。

島は毎回海に沈むので綺麗だ。二つの島の間は、膝下くらいの深さで難なく渡ることができる。水際はギザギザに、砂と水がラインをつくり、面白い。風が止まればウユニのように空を反射することだろう。カメラとランチと水を舟から下ろして砂の上に置いて、周りを見渡した。素晴らしい海の色だ。空と同じくらい青い。ただこの島の砂は真っ白というよりは少し茶色い、珊瑚も落ちているが珊瑚の砂というわけではない。実際海の中も珊瑚は見当たらない。魚も小さいのが、少しいる程度で、ダハブの方が遥かに多い。確かにいいところだが、アフリカで一番というには無理があるような気がした。

しばらく辺りをシュノーケルで泳ぎ、疲れたら砂浜で寝て、腹が減ったら飯を食べた。漁師達は網を引き終えたようで、浜辺で昼寝している。

昼過ぎになると、漁師達は網を下ろしてた舟に乗り込んで、遠くの島へ帰っていった。小さな舟に20人以上も乗り込んで、皆見えなくなるまで、こっちに手を降った。なんとも心地の良い漁師達だ。

モザンビークは内線のせいで東アフリカでは観光化が遅れている。イボ島ほどの島ならツーリスト用のホテルやレストランが海岸沿いに並んでいてもおかしくはないはずだ。ザンジバルのようにビーチの大半が観光用の施設で、その隙間から現地人の暮らしが見れるというのが、普通のリゾート島の姿だが、ここでは現地人の島にツーリストがおじゃましてるといった雰囲気だ。ケニアやタンザニアの海ではこうはいかない。これがモザンビークの特徴なのかもしれない。アフリカで一番の海も悪くないなーと、随分遠くまで進んだ漁師達の舟を眺めた。





















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