2016/MAY/9 「フランク」

もしコモロの港でアライバルVISAが取れないなら、ダルエスサラームで事前に取る必要がある。船は明日か明後日に出るので、今日取らなければならないことになる。アミンはVISAの申請には往復の船のチケットが必要だという。ということは、今日、アミンに船代を払わないといけないということになる。果たして、出航前にアミンにお金を渡すべきかという疑問は、結局、答えが出なかったが、火曜に船が出るなら、時間的にもうタイムアウトだ。

アミンに電話をすると、本人が出たので10時にホテルへ行くと伝えた。毎日の日課に成りつつある、宿の前の屋台でのオムレツを食べてから、調べておいたナイロビのコモロ大使館へ電話をした。結局、ダルエスサラームのコモロ大使館はいくら探しても情報はなく、ナイロビに聞くことにした。しかし、ナイロビのほうもダルエスにあるとは言うが、住所も電話番号も知らなかった。

アミンのホテルへ行こうと宿のレセプションを出るときに、ふと、スタッフにコモロへの船の話をすると、別のフェリックスという男が出てきて、「港で会った知らない男にお金を渡すのはマズイぞ」と忠告した。フェリックスは「フランクという男が、港でオフィスを持っていて、そこでチケットを買える。オフィスで買えば、レシートと貰えるし、後でクレームにも行けるだろ」と言った。ごもっともな意見だ。コモロ行きの船のチケットがオフィスで買えるとは知らなかった。

教えてもらったオフィスへさっそく行ってみると、フランクは外に出ていたが、すぐに戻ってきた。話をすると、明日か明後日に出る船があるという。アミンの船と同じだ。ただし、船の名前を聞くと、ASANATだという。アミンの船はZULFIKARだ。たしか、船はもう一隻停まっていたが、もっと高かったはずだ。

フランクに値段を聞くと、本当は220ドルだが、フェリックスの紹介だから200ドルでいいと言った。アミンの言ってた金額は330,000シリングなので150ドルのはずだ。まーここは代理店なので手数料は取られてるのだろうが、それでもちょっと高すぎる。アミンの船の話をすると、じゃーそいつから買ったらいいが騙されるぞと言ってきた。「200は高すぎる。150にしてくれ」と言うと、「最低でも170だ」とかなり下がった。もう少しだなと思い、少し帰る素振りを取り入れながら、また頼むと165になった。「160なら、ここで決めるよ」と言うと、腕を組んで考えこんでしまった。そして、突然フランクはこっちの手を握り、「サヨナラー」と大声の日本語を発した。「え?サヨナラ?帰れってこと?」と立ち上がって帰ろうとすると、フランクはあわてて止めた。そして、「サヨナラはLet's Goって意味じゃないのか?」と困惑顔で聞いてきた。

なんとか話はまとまり、明日の朝、この会社のスタッフがコモロ大使館へ連れていってくれることになった。明日の夜に出航かどうかは、明日にならないと分からないと言い、大使館からもどったら、またオフィスに来るように言われた。

フランクにキャビンで寝れるか聞くと、「キャビンだ」と言うが、「シートはリクライニングだから寝れるよ」と矛盾したことを話していたので、期待は出来なさそうだった。だが、代理店からチケットを買ったのでアミンから買うよりは安心感があるのは確かだ。寝床の心配は船が出てからすることにしよう。





Recomend Posts

2017/APR/21 「最後の町」

日本へ帰る便は土曜日の昼にマドリッド発だったので、マドリッドには泊まらずトレドで 2 泊して、土曜の朝に直接空港へ向かうことにした。 マドリッド、トレド間は 30 分おきにバスがあり交通の便がよい。 トレドはスペインの有名観光地で、とても綺麗な町だ。スペインには何度も来てい...