宿のおばさんは、簡単な朝食を出してくれた。食べ終わってからバス乗り場のほうへ行くと昨日バスに乗っていたフランス人カップルがいた。彼らも似たようなゲストハウスに泊ったようで、今日レーに帰るという。レーから来たバスが翌日レーに戻るので、今日を逃すとあと3泊しないと帰れない。だがガイ達は見当たらなかった。バスの隣にはヤギが塀に囲まれた中に詰め込まれて窮屈そうだった。
バスは8時過ぎに来た道をレーへ出発した。昨日食事休憩した町を過ぎてすこし行ったところで車がたくさん止まっている。昨夜の雨で土砂崩れがあって、道が塞がったらしい。後ろからも車が来たが、みんな進めないで渋滞のような様相だ。どうすることもできないので開通を待つ。昼になってもいっこうに動かないので近くの食堂でメシを食う。
夕方になり、今日は無理という事になった、運転手は「自分はバスで寝るから、すこし戻った町まで歩いていって泊ってくれ」と言う。明日は朝7時に出発するから、それまでにバスに戻るように告げた。運転手はしきりに日本人の女の子にバスで一緒に泊ろうと誘っていた。
外は小雨が降っていたがレインジャケットをかぶって町まで歩いた。町には宿が1軒しかなく、部屋は足りないのでリビングに通された。そこにはガイ達もいた。彼はバスはしんどすぎるのでパンゴン・ツォからジープに乗せてもらってきたらしい。だが「車の中は膝の上にも子供がいた」というくらい人が満載で楽ではなかったようだ。今日レーに戻れなかったのでガイは飛行機に逃すことになってしまった。なんとかチケットのキャンセル手続きだけでもしようとしたが、ここは携帯の電波が入らないし、固定電話もインターネットもなかった。そもそも上下水もなく、電気はきてるが停電だ。