ヌワラエリヤからのバスがゴールに着いたとき外は豪雨だった。あまりの強さでバスから出れないので、他の客もしばらく車内にとどまっている。車掌はその客たちにアボガドを売り始め、車内はさながら市場のようになってしまった。
ヌワラエリヤもそうだったが、この季節のスリランカの中央高原から南西海岸まではもろにモンスーンの影響を受け、毎日雨が降る。とりあえず、ゴアの上下のレインウェアを着て、ザックカバーをかけて外へ出て、ゴールの旧市街への門をくぐった。
ゴールはスリランカの町の中で唯一きれいなコロニアルタウンだろう。スリランカにもこんなとこがあるのかとうれしくなったほどだ。旧市街の中央の道を進むとすぐに宿の客引きが来て、「1500Rsで泊れるぞ」と声を掛けてきた。ゴール旧市街の宿は高いと聞いていたので見てみるかと行ってみると、そんなにきれいではなかったが1階の部屋は1000Rsでいいと言う。とりあえず、調べてある宿があるからとそっちも見ることにする。だがそっちの宿はすでに安宿ではなくなっていて1泊5000Rsだった。しょうがないので元の宿に戻り2階の明るい部屋に1500Rsで泊めてもらうことにした。
チェックインを終えると、ゴール近郊にあるバワ建築のライトハウスを見に行くことにした。着いてみるとどうも安いチェーンホテルのようなポップな雰囲気がある。ラウンジへの階段の吹き抜けはまた例のアーティストに頼んだのか手すりに動物や人の金物造作があり、ディズニーだ。階段を上がったラウンジから芝生のコートヤードを見ると片側の壁の木目調はなんと塗装だった。なぜこれがバワのリゾートの中で傑作と言われているかわからない。
だがスタッフはとても親切で客室を3タイプも見せてくれた。たいていのホテルは客室は見せてくれないが、ここは見てる間もスタッフは万遍の笑みだった。
共用部とは異なり客室は面白いつくりで、あえて全面開口を捨て、部屋の開口をデスクの上の両開き窓とバルコニーへの両開き扉だけに絞っているのがとても新鮮だった。部屋によってベッドが外向きに配置されていて、テレビの置き場所は全面開口を捨てたために生じる壁に自然に納まっていた。またバスルームも全面引き戸がバルコニー向きにあり、引き戸をを開けるとバスタブから外が見られるようになっている。バスタブを中心に両側にトイレ、シャワーが正対して、部屋面積の中でかなり広く取られていたのも良かった。
スタッフにお礼を言って、インド洋に面したメインラウンジに行き、コーヒーを頼んだ。夕日が見れるかと思ったが、さっきまでの雨のせいで夕日は隠れてしまっていた。そのかわりラウンジのすぐ前のインド洋は荒れに荒れて、波は大きな岩にあたって見事な水飛沫を飛ばしていた。まるで東映映画のオープニングのようだが、ここまで近いと恐怖でしかない。
バワ攻めるなー