2015/SEP/11 「Trans Siberian Train」

シベリア鉄道に乗って旅するのは昔からの憧れだった。鉄道の旅は情緒があって、常に好きだ。

ウランバートルを出た列車は深夜に両国の国境駅で停まり、出国、入国審査があった。ロシア側は入国審査官、税関スタッフ、危険物チェックの軍人、麻薬犬を連れた軍人が代わる代わるとコンパートメントに入ってきて、仰々しかった。笑顔は一切見られない。

翌朝起きると、同じコンパートメントのモンゴル人学生カップルは同じベッドでいちゃついていた。このコンパートメントで45日かーとすこし気が重くなった。それでも彼女のほうはすこし英語が話せるので、ロシア語が必要なときには通訳してくれたり、食料を分けてくれたりといろいろお世話になった。

昼過ぎくらいに右側の車窓に海のような一面の水面が見えた。バイカル湖だ。3,4時間、果てしなく続く光景に最初は感動したが、30分もすると飽きた。だが、その後、3日くらい永延と続いたタイガの光景を考えると、3,4時間の湖の光景はとてもいいアクセントだった気がする。

途中いくつかの駅で停まり、外に出たが、ロシアの地方都市はどこもかなり寂しくみえた。気温も低く、歩いている人もなにかとてつもない不幸を背負い込んだようにしか見えない。プラットフォームには物売りのオバチャンがスーパーのカートに食べ物を入れて、乗客相手に商売をしている。すごい話しかけてくるが、何も買わない人には冷たい。笑顔は一切見られない。

列車は各車両に2人のスタッフがいて、彼らもスタッフ用のコンパートメントに5日間寝泊りする。彼らははじめは制服を着てるが、途中からポロシャツにジャージと、かなりアットホームな格好になり、ぱっと見、センスのないロシア人乗客に見える。大きな駅に着くときはしっかり着替えてくるのが、どこかコミカルだったが、笑顔は一切見られない。

一度だけ食堂車にも食べにいった。10車両くらいを通過しなければならない大遠征だったが、食堂は映画セットのようなクラシックなデザインで、かなりの年代物だった。スタッフはスキンヘッドのマフィアのようなおじさんが、客が入ってくるとキッチンから出てきて注文をとった。笑顔は一切見られない。

3日目からはあまりの暇で気が狂いそうになったが、停車駅でビールを買えることに気がついて、車内は一気に快適になった。







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