2015/JUL/25 「忘れ物」

ティルパティの安宿から7時半過ぎにチェックアウトして、バスターミナルへ向かった。チェンナイ-ティルパティ間のバスはかなりあるようで、8時発のバスに乗ることができた。
バスは来たときと同じように1度休憩で停まり、その後チェンナイのバスターミナルに着いた。

まだ12時前だ。デリー行きの電車は夜10時発なので荷物を預けてある宿に行き、ゆっくりしようと考えていた。おもむろに貴重品入れに手をのばすといつもの厚みがない。
おかしいと思って開くとパスポートがない!いつなくしたか懸命に思い出し、昨夜安宿にチェックインするときに預けて、返してもらってないことに気がついた。もうチェンナイまで来てしまった!今から戻って電車に間に合うのか?次のティルパティ行きは何時なのか?電車に乗れないと次予約が取れるまでどれくらいチェンナイで待つのか?といろいろ考えが頭の中をめぐったが、すぐに10時の電車に間に合うか計算し始めた。すぐにバスがあったとしてティルパティに着くのは4時。ホテルにパスポートを取りに行きバスターミナルに戻ってチェンナイ行きがすぐにあったとして4時半。チェンナイには8時半に着く。バスターミナルから宿まではバスで1時間、宿から駅までは15分くらいだとするとぎりぎりだ。何一つ遅れてもダメだ。

バスの扉が開いた瞬間に飛び出てティルパティ行きのホームへ走った。ティルパティ行きのバスが2台停まっていた。両方ともすぐに出るというがインドなので信用できないので外でどっちが先に出るか見る。すると左のバスがエンジンをかけ始めた。こっちかと左のバスに乗り込んだ。出発は1215分だった。運転手に10時のチェンナイ発の電車に乗るから急いでくれと頼むとわかったと言うが特に急いでいる雰囲気はなかった。また同じように1度の休憩を入れてからティルパティに着いた。4時半だった。着くと同時に宿まで走り、レセプションに駆け込んだ。チェックアウトしたときの英語の話せないスタッフが顔を見るなり「パスポート」と言って引き出しからパスポートを出した。すぐに受け取って「Fuck You!」とだけ言って走り去った。

バスターミナルには450分について、すぐにバスを探した。5時発があったのですぐに乗り込む。席は埋まってて立ちだがしょうがない。たぶんチェンナイに着くのは9時だ。バスターミナルからオートリキシャーで宿、駅と行けばぎりぎり間に合う気がした。期待はできないが運ちゃんに10時発の電車に乗ることを伝えた。バスはまったく同じ休憩所で休憩をして、また出発した。チェンナイまであとすこしというところで道路が渋滞し始めて、しばらくすると動かなくなった。やばいと思ったがどうすることもできない。バスはそのまま渋滞に身を任せ進んだ。これまでだなと思った。

チェンナイに着いたのは920分だった。とりあえず走ってバスターミナルを出る。近くのオートリキシャーの運ちゃんたちに10時までに宿で荷物をピックアップして駅まで送ってくれというと、そんなの無理だという。最低1時間は要るという。「1020分に駅に着くのでいいか?400Rsだ」と言うので「それでは意味がないから、バスで宿に戻りチェンナイに1泊する」と言い「もし駅に10時前に着いたら400Rs、着かなかったら300Rs」というと集まった運ちゃんの一人が「荷物はピックアップだけなんだな?」と聞いてきたので「2分で済む」と答えると運ちゃんは「着いて来い」と自分のマシーンへ歩き出した。

マシーンの前にはスナックを売るインド人がいたので追い払い、後部座席に乗り込んだ。オートリキシャーは勢いよく車道へ飛び出て、かなり強引に旋回して逆側の車線へ入った。そこからはとんでもない強引さとフットワークで細い路地を突き進み、再度大通りに出て、信号で停まると端から前列へ出て、信号が青になった瞬間に他の車の前に飛び出て妨害するという手に出た。これはかなり有効で信号のたびにすべての車の前に出ることができた。

宿に着くと、レセプションのオヤジに「バックを取りにきたからすぐに出してくれ」と言うと「どこにあるかわからないから他のスタッフを探さないと」と言うので「いつも客のバックを預かっておく場所だよ。わかるだろ」と強くいうとたぶんここだと外の物置の鍵を開けてくれた。中にはバックがあったが、頼んでいたランドリーは見当たらない。「ランドリーは他のスタッフが管理してる」と言い大声でそのスタッフをよんだ。そのスタッフが降りてきて、奥からランドリーを出してきた。受け取ると「ランドリー代は?」と言ってきたが良く考えたら頼んだときに払っていたことを思い出して、「払っただろ」というとニヤっと笑って「冗談だ」と言う。ほんとに空気の読めないインド人だと思い「お前の冗談に付き合ってる暇はねーんだよ!Fuck You」といってオートリキシャーに乗り込む。

運ちゃんは時間がかかりすぎだと言って文句を言ったが、駅に着いて時計を見ると955分だった。走って駅の中に入り売店でビリヤニと水を買って電車に乗り込んだ。AC無しの寝台車で3段ベッドの下の段のはずだ。6車両ほど突っ切ってその座席番号にたどり着くと、腰に布を巻いた太ったインド人のおっさんが裸で寝ていた。一瞬買ったばかりの水をぶっ掛けようと思ったが、踏みとどまって紳士的に「おっさん確信犯だろ。早くどけ」といって移動してもらった。








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