2015/JUL/21 「便利すぎない贅沢」

朝起きると窓から明るい日差しが入ってきていた。ここのところ雨ばかりだったので久しぶりに晴天の朝だ。さっそく外にでて、ゴール旧市街の城壁の上を一周した。

旧市街は45分もあれば一周できるサイズで朝の散歩にちょうど良い。外壁が終わり下へ降りた先にアマン・ガレがあった。強い日差しで汗だくになっていたので、アマンには入りづらいので朝食を食べて出直すことにした。

小さな露天でチャイとコロッケのようなものが入ったサンドイッチを食べた。そして扇風機の前でひたすら汗を乾かす。Tシャツが乾いたのを見計らってアマンへ再度いく。

ここのアマンは以前あったコロニアルホテルを改装してオープンしたというアマンにしては珍しいものだ。自然に囲まれてるわけではなく、中庭式の外に閉じた建物だ。

車寄せの階段を上がると3人ほどのスタッフが丁寧に挨拶をしてくる。やはりアマンはどんな客にも差別なく丁寧だ。スタッフに泊らないんだけど中を見たいというと、エントランスのラウンジだけならいいと言う。他のアマンでは丁寧に案内のスタッフをつけてくれて客室も見せてくれたのに、ここではあまりに見れるエリアが少ない。

「写真も撮らないからもう少し奥まで見せてくれ」といっても断られた。奥にはプールがあり、それを囲むように外部廊下があり客室が外壁沿いに配されているようだった。エントランスラウンジのインテリアはさすがに洗練されていて、他の似たようなホテルとの埋まらない差を見せつけていた。

今日はベントタに泊るのでホテルに帰り荷物をつめて宿を出た。来たときのバスターミナルへ行き、ベントタ行きのバスに乗る。2時間で着いた。ベントタは多くのバワ建築があり、まるでバワタウンのようだ。驚いたことに鉄道駅もバワの設計だった。

中心部のHotel AvaniBentota Beach Resortを見てまわり、安食堂でカレーを食べた。そしてゴールを出るときに電話でなんとか予約できたルヌガンガへ向かった。ルヌガンガもバワ設計のホテルだが、ここはもともとバワがベントタ郊外のシナモンプランテーションを買い取り、そこに彼の理想の庭を設計して、自分の別荘をつくって週末を過ごした場所だ。ゲスト用に部屋が6つあり、今はその6室に宿泊することができるようになっている。

スリーウィラーがとまると目の前には古びた鉄の門が建っていた。何も標識がなく、裏には緑がうっそうと茂っている。運転手に「ほんとにここなの?」と聞くと間違いないと言う。運転手が大声で門の中に話しかけると中からスタッフらしき男が現れて、門を開けてくれた。入り口からの短い坂を登ると左側に建物が見える。たぶん客室のひとつゲートハウスだろう。そこから右に登っていくと階段があり、その右側に今夜泊るグラスハウスがあった。グラスハウスはブリッジのように全面ガラスの建物が浮いているとてもユニークな建物だ。建物の両脇には外部ラウンジがある。

ルヌガンガのすごいところは1つの客室は1つの建物になっているところだ。そしてすべての建物が違ったデザインでインテリアもまったく異なる。こんなホテルはきっと他にはないだろう。

グラスハウスのベンチに荷物を置いて、階段をあがったメインの建物へチェックインに向かった。メインの建物はリビング、ダイニング、外部ラウンジがあり、他に1組の宿泊客がいた)どこもバワの集めたアンティークの家具が置かれて、独特の雰囲気をつくっている。ひとつとして同じものはないバワの感性の空間だ。

チェックインが済むとグラスハウスへ案内された。グラスハウスはブリッジ状の建物の片側に入り口があり、そこから入るのだが、扉がアンティークのような扉で片方上下に分かれていて、順番に扉を閉めて最後に鍵をするようになっている。内部は細長い平面で玄関、テーブル、リビング、ベッドが同じ空間にあり、バスルームがベッドの裏に区切られている。両側ともにガラス窓なのでカーテンを開けると浮いてるようだ。
ここの家具もすべて他とは違い、ところ狭しと仏像やら絵画、ランプ、扇風機などが置かれている。アメニティーはかなり少なく、石鹸とシャンプーくらいで冷蔵庫もTVもインターネットもない。申し訳なさそうにグラスボトルに入った水とコップがベッドサイドにおいてある。

ルヌガンガはアマンやSixsensesなどの超高級リゾートと比べて、はるかにホテルらしさを消している。すべてバワ個人の感性で作られていてその人の必要なものだけ置かれている。まるでバワの別荘に泊りにきたようだ。そして11室のすべて異なるデザインの建物がバワがデザインした庭、ルヌガンガのランドスケープの中に点在している。シナモンガーデンハウスなどはメインの建物から600mくらいは離れていて、夕食の後帰るのは外灯もないので苦労しそうだ。

メイン棟のテラスの前の芝生の下にはベントタのバックウォーターにつながる湖が広がり、逆側のシナモンガーデンの先にも湖がある。そして周りには緑が広がりまったく人気を感じさせないすばらしい立地だ。カンダラマ同様バワの配置計画は本当に良くできている。

ここのオペレーションはバワ財団がやっていて、サーブスタッフの数も少なく(庭師はたくさんいる)、食事のメニューもセットメニューひとつだけだ。お酒も置いていないし、飲み物はティーとコーヒーのみ。リゾートだと思って来ると不便に感じることが多いかもしれないが、お酒を飲まない友人の家に遊びに来たと思うと、そういったこともすべてこのルヌガンガにはあっているような気がした。

便利すぎないという贅沢もあるのかもしれない。






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