2016/NOV/2 「キンシャサでとるビザは何故か高い」

キンシャサで取れるビザはなるべくとっておこうと、着いた翌日朝から色々な大使館を回った。航空券が無くてはビザが取れないと聞いていたカメルーン、居住国でしか取れないガーナ、そして既にビザを持っているコンゴ共和国の次に行くガボン。日本大使館にも行き、これらの国のビザのためのレターも頼むことにした。

しかし、上記三か国のビザは、アフリカ大陸陸路一周の熱意を語るとアッサリ取れることになった。ただし、どこも値段がベラボウに高い。コンゴ民主やアンゴラも高かったが、カメルーンは195ドル、ガボンは160ドル、ガーナに関しては250ドルと今までに聞いたことのないほど高額だった。ドル払いしか出来ず、手持ちのドルは300程度しかない。全て取るには金が足らない。

これはワイロ込みの金額かな?と、日本大使館に頼んで、大使館から電話で聞いてもらったが金額は変わらなかった。日本大使館の領事担当、上田さんはかなり協力的で、ブラザビルのカメルーン大使館やガボンのカメルーン大使館にもわざわざ電話をして値段を調べてくれた。その結果、カメルーンビザはガボンで取ると51,000CFA(85ドル)、ガボンビザもブラザビルでは35,000CFA(59ドル)だと分かり、キンシャサでは取らないことにした。
ガーナビザもブラザビルではそこまで安くないので、ガボン以降で取ることにした。

上田さんは「キンシャサでは今、カビラ大統領の事実上の続投が決まり(コンゴ憲法では大統領の3選を禁止しているがカビラ大統領はそれを無視して続投を表明)、かなり情勢が不安定なので、なるべく早くコンゴから出て欲しい」と説明した。ダウンタウンは特に危険で、ひと月前にも選挙の延期に対する抗議運動がダウンタウンであり、警官が発砲し100人を越す死者を出したばかりだという。キンシャサ在住の外国人には外出しないよう各大使館から通達が出ているという。宿のあるヴィクトワール広場はまさにダウンタウンの中心だ。

上田さんはキンシャサの事情をいろいろとアドバイスしてくれ、ここでは警察も全く信用できないこと、コンゴの外務省も三ヶ月前からストライキをしていて日本大使館からコンゴ政府へのコンタクトも取れない状況なので、何かあっても助けられないことを教えてくれた。アフリカ全土の外務省の治安レベルを1枚にまとめたものをくれ、最後に「用事が済んだらなるべく早く、隣国コンゴ共和国のブラザビルへ渡ってほしい」と話した。

確かにコンゴの警官にワイロ攻撃を受けて、「日本大使館に連絡するぞ!」と言うと必ず「やってみろ」と強気な態度を取られる。もはや、日本大使館がどうこうできる状態ではないのだろう。

キンシャサではネットカフェにもwifiがなく、しかたなくキンシャサでもっとも高級なプルマンホテルのバーでビールを飲んで、wifiをつなげた。CASTER ビールの中瓶が6ドルもしたが、空調の聞いた綺麗なラウンジでネットをしながら飲むビールはうまかった。

キンシャサはコンゴ川に面してあるのに、川沿いに大統領邸などが立てられているせいで、川が見れる場所はかなり少ない。川沿いには道路もあるが、そこには軍隊が配置されていて、追い返される。本当に気のきかない町だ。その限られた川沿いの道で行ける場所からは、川の向こうにブラザビルの町が見える。こんなにすく近くに首都があるというのもコンゴだけだろう。

夕方にアッパータウンからダウンタウンへ帰国する人たちのラッシュができた。舗装された片側4車線の道に高層ビルが建つアッパータウンに住めるのは、ほんの一握りの人達だ。皆、あの暗くて汚いダウンタウンへとミニバスにギュウギュウに乗り込んでかえって行く。


ヴィクトワール広場に戻るともう真っ暗で、路上の牛肉の串焼きとビールを買って夕飯にした。これ程電気事情が悪いのに、何故かビールだけはどこでもキンキンに冷えているのは不思議だ。この蒸し暑さで飲むコンゴのビールは本当に旨い。PRIMSSKOLはサッパリとしていてこの気候には抜群の相性だ。今のところコンゴ民主で唯一のおすすめだ。








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