2016/NOV/9 「古着を買うならブラザビル?」

昨夜から何処か体調が悪い。夕方に妙な寒気があり、マラリアかと思ったが、熱はでなかった。身体が少しだるく、頭が重い。シャンセルは完全にマラリアを疑っている。

コンゴ共和国に入ってから、これでもかというくらい蚊に刺された。油断して昼間にサンダルで出掛けたときに、草むらに入り地図を見るために立ち止まってる間に一気に足を20箇所くらいさされたりもした。見たことのない小さな蚊で、足を振っても飛んでいかない厄介な蚊だ。しっかり血は吸っていて、足は全体的に腫れたようになり、熱を持ってしまった。左手親指もこのせいで腫れている。この蚊は明らかにハマダラ蚊ではないので、マラリアの危険が無いのが救いだ。ただし、泊まっている部屋に出るのは普通サイズの蚊で、こっちは油断ならない。ベッドの上に吊るされている蚊帳は穴だらけで、キンシャサで買った中国産蚊取り線香が切れたら、ここにはもういられなくなるだろう。

ガボンビザがあっさり取れたので、木曜までに他のビザも調べてみることにした。ガボン大使館の近くにはナイジェリア大使館があったので、行って聞いてみることにした。入口でビザが欲しいと言うと、中で聞くように言われ、建物の中に入れてもらえた。1つの部屋に通されて、そこにいたおばさんにこれから陸路で行くから、ビザが欲しいと言うと、居住者にしか出さないと答えた。そこでアフリカ陸路一周してるので、なんとかならないかと相談すると「ホテルの予約をすれば出せる」と言ってくれた。取れるのかと思って、値段を聞くと「171,600フランだ」と答えた。「え!それは300ドルちかい金額だけど、、」と言うと、「そうなのか?でもその金額で間違いない」と言う。信じられない値段だ。それがどれくらいの価値があるのか分かっていってるのか?キンシャサで聞いたガーナビザの250ドルを超える高値だ。中部アフリカに入ってから、東アフリカでは聞いたことがないような額を平気で聞くようになる。50ドル、60ドルでも高いと思っていたのに、ここではそんな値段で買えるビザはない。モロッコまで行くのに一体いくらビザ代でかかるのか不安になる。

「ちょっと高すぎるから、他で取るよ。値段はもう一度よく考えた方がいいと思うよ」と言って部屋を出ようとすると、扉が壊れて開かない。「え?出られないけど?監禁?」と言うとおばさんが開けようとするが、扉は開かない。なんだこの大使館は。値段も扉もおかしい。

外の人を呼んで、外側からこじ開けてもらって出ることができた。ナイジェリアはなんだかしょうもない国な気がしてきた。

コンゴ共和国に入ってから、野生のゴリラが見れないかと調べていた。これまでの国ではウガンダやルワンダでゴリラトレッキングがあったが、パーミッションが必要で500ドルもするので諦めていた。コンゴ民主にもいるが、東部にしかいないので治安上行けなかった。このあとはガボンくらいしかチャンスはなく、ガボンも国立公園は、アクセスが悪く、かなり費用がかさみそうだった。

コンゴ共和国にはレシオ ローナというゴリラの孤児を集めた施設があり、野生にちかいゴリラを気軽に見れると聞いていたので、その情報を集めることにした。だが、ウェブサイトの電話番号は古くて、今使われている番号より一桁少ないのでつながるわけもなく、ブラザビルにあるというオフィスに行ってみると、その住所ではコンゴ人の労働者たちが、一生懸命誰かの家を建てていた。どっかへ移転したようだ。が、何処へ移転したか知るすべはない。コンゴ共和国はツーリズムが全く発展していない。北部は自然と動物の宝庫なのだが、いかにせんツーリストが来ないので観光開発が進まない。国立公園は車がなければ行けないし、宿もとんでもなく高いロッジか一軒か二軒あるだけだ。

帰りに道端で古着を並べて売っている店で長ズボンと長袖シャツを探した。これは蚊対策で、今はタイパンツしか長ズボンがないので、マラリア予防に長ズボンが一本欲しいところだ。ズボンはジーパンが殆どだが、500CFA(88)からと信じられないくらい安い。殆どはフランスの古着だ。


結局1000CFA(176)のコットンの長ズボンと300CFA(52)Yシャツを買った。どう考えてもおかしい値段だ。いくら古着でもこんな値段で売ってるのはコンゴ共和国だけだ。何故こんな値段で売れるかというと、多分これらはフランスのボランティア団体が寄贈している古着で、本来これらは貧しい人に届けられるはずが、アフリカに届いた瞬間、地元団体から横流しされてしまっているからだ。元手がただで、輸送費すらかかってないので、こんな値段で売っているのだろう。フランス人たちは自分達の寄付した洋服の行き着く先がまさかこんなだとは想像すらしてないだろう。アフリカの支援でやってはいけないことはお金や物を送ることだ。最後をアフリカ人に任せてはいけない。たが、旅人にとってこれは「古着を買うならブラザビル」ということになる。
















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