モコトロンを朝に出て、サニパスへ向かった。サニパスはレソト東部の南アとの国境で、峠の一番上にイミグレがある。レソト北部から東部にかけて続く、500mほどの高さの崖がレソト、南アの国境で、ここからはその地形がよくわかった。周囲にはなにもなく、イミグレの隣の崖の上に、サニトップシャレーという割と豪華な宿があり、そこの離れがバックパッカー用のドミトリーになっていた。常に風速20mくらいはありそうな風が吹き、なだらかな緑の丘のような地形が延々続いている。標高は2850mで日差しは強いが、夜はかなりの寒さになる。ここはどこかチベットのような雰囲気がある。
ドミトリーの値段を聞くと、1泊250ロチ(1850円)とべらぼうな値段だったので、テントを張ろうと思ったが、とても中国産テントでは太刀打ちできる風ではなく、渋々ドミトリーに収まった。ここでテントを失うわけにはいかない。
着いた日は、昼前だったので、午後から馬を借りてハドソンズ ピークへ行ってみた。近くに住む遊牧民が、馬を二頭連れてきて、一緒に2時間半で往復した。料金は3時間分取られたが、それでも270ロチ(2000円)と南アに比べるとかなり安かった。景色も良く、距離もそこまで長くなく、ここはお薦めのルートだ。
そして今日はここへ来た目的の、南部アフリカの最高峰タバナ ントレニャナに登る。高さは3482mなので、600mくらいしか登らないが、サニパスからは17キロ以上離れていて、往復9~11時間かかる。道が分からないので、宿でガイドを手配してもらっていた。
朝の6時にガイドが迎えに来て、出発した。天気は曇りだ。風が強く、かなり寒い。今にも雨が降りそうで怖い。寒いので、コーヒーをいれようと思ったが、昨夜、ここに泊まってるドイツ人学生グループにライターを貸して返してもらってないことに気がついた。この時間では寝ているだろう。起こすのも悪いので、コーヒーを諦めてランチのサンドイッチを作り、ランチの材料の残りを朝食がわりに食べて、出発した。
風が強く、太陽が出てないので寒い。ガイドも相当に着こんでいる。回りにはなだらかな丘のような山が続いている。
寒さと風でうつ向きながら、前に進む。しばらくすると、サニパスからトラバースして、その奥の地形に入った。だが、景色はさっきとかわらない。向こうまでずっと、なだらかな丘が続いている。他には何にもない。なんか思っていたのと違うなーとこの辺りで気がついた。天空の国と呼ばれるレソトは、確かに標高はあるが、南アフリカからちょうど切り立った崖を越えたような地形で、その中はなだらかな緑の丘が続いている。景色としてはあまりドラマチックではないということだ。しかも、まっ平らと言うわけではなく、歩けばそこそこ傾斜を感じる登りと下りの繰り返しだ。多分、この山は南部アフリカ最高峰といっても、全然ポピュラーではなく、ツーリストも来ないので、歩いていても、一時間に一度くらい羊飼いとすれ違うくらいで、誰にも会うことはない。
まーこういうのも悪くはないが、ちょっと距離がながい。これだけ歩いても殆ど似たような景色なので、あまり歩く気力が湧いてこない。
途中川があり、少し休憩した時に、ガイドが「写真は撮らないのか?」と言うので、数枚取った。距離は長いが、ガイドと二人なのでかなりのハイペースで歩いた。9時間で戻れば、午後4時まであるという、モコトロン行きのミニバスに乗ることができる。ここは悪くないところだが、宿が予算オーバーなので今日のうちに移動したい。
幾つかの谷を越えて、丘の上に上がったときにガイドが「あれがタバナ ントレニャナだ」と指差した。「あれかーー。。。。」山というよりは完全に丘だ。回りにも同じような起伏があり、そこが一番高いと言う以外の何でもない。しかも、まだまだ距離はありそうだ。見なきゃ良かったと思った。
まーでも、ここまで来て登らないのも無いなと気を引き閉めて、早歩きて進む。まるでガイドと競歩してるくらいの歩きで、タバナ ントレニャナの最後の登りまでやってきた。流石に最高峰らしく、ここからは風が半端ない。前に進むのもキツいくらいだが、辛うじて風は右から左へ流れているのでなんとか進める。確か今日の天気予報は降水確率50%、風速40mだった。
頂上直下で、あとはここを登ればというところに着いた。風の音がスゴい。ゴアジャケットのフードを被って、一気に頂上に上がると、そこは信じられないくらいの風で、真っ直ぐ立つのでさえ、厳しかった。歩いても飛ばされそうになるし、頂上には石を積んであるだけで、標識も何もなかった。ここはきっとツーリズム的に全く重要では無いのだろう。ガイドとなんとか上がってきたが、風が強くて、声も通らないし、風のない頂上裏側に行けとジェスチャーするのが、精一杯だ。取りあえず、風に負けずになんとか写真撮影をして、裏の岩の下に避難した。
ここは風が通らないようで、落ち着いていた。ガイドと共にランチを食べ、少し休んでから帰路に着いた。
帰りは、早くつくことだけを考えて歩いたが、途中から雨に合い、ずぶ濡れになった。油断してタイパンツで来たのが間違いだった。濡れた身体に追い討ちをかけるように強風が襲う。寒い。
30分ほどで雨は止み、そのあとはずっと曇りだったが、冷えた体が暖まらずに寒かった。
宿に戻ると3時前で、9時間はかからずに戻ってこれた。本当は直ぐにミニバスに乗る予定だったが、風邪を引くので暖かいシャワーを浴びることにした。ドイツ人達はもう出たようで、いなかった。結局ライターは戻ってこなかった。ダメなドイツ人達だ。
シャワーを浴びて、着替えて、荷物を纏めた。まだミニバスがあるかは分からなかったが、取りあえずサニパスの上のイミグレに行くことにした。ここで、止まる南アからのミニバスに乗ればいいらしい。
風は更に勢いを増して、道路を歩くのが困難になっていた。なんとかイミグレの建物に行き、イミグレスタッフに「ミニバスは来るかな?」と聞くと「どっから来たんだ?VISAはあるのか?パスポートを見せろ」と言ってきた。「日本人はVISAは不要だよ」といって、パスポートを渡すと「入国スタンプないぞ!」と言う。確か、レソトに入ったときレソト側にはイミグレも何もなく、他の乗客に聞くと「問題ない。出国の時、南ア側でスタンプ貰うんだ」と言われたので、そのまま、ここまでやってきたのだった。「不要って言われたよ」と言うと、「そんなわけないだろ!」と少し怒こっている。だが、南アの出国スタンプを見せると、入国スタンプを押してくれた。「あと何日いるんだ?」と聞かれて「5日くらいかな」と答えると、スタンプに5DAYSとボールペンでしっかりと書かれた。やっぱり、入国スタンプ無しでいいわけない。
そのあと直ぐにきたモコトロン行きのミニバスに無事に乗ることができ、サニパスをあとにした。恐ろしい風で車も横転するじゃと心配したが、想像以上の人数と荷物が乗っていて風で飛ばされる心配は無さそうだった。
ドミトリーの値段を聞くと、1泊250ロチ(1850円)とべらぼうな値段だったので、テントを張ろうと思ったが、とても中国産テントでは太刀打ちできる風ではなく、渋々ドミトリーに収まった。ここでテントを失うわけにはいかない。
着いた日は、昼前だったので、午後から馬を借りてハドソンズ ピークへ行ってみた。近くに住む遊牧民が、馬を二頭連れてきて、一緒に2時間半で往復した。料金は3時間分取られたが、それでも270ロチ(2000円)と南アに比べるとかなり安かった。景色も良く、距離もそこまで長くなく、ここはお薦めのルートだ。
そして今日はここへ来た目的の、南部アフリカの最高峰タバナ ントレニャナに登る。高さは3482mなので、600mくらいしか登らないが、サニパスからは17キロ以上離れていて、往復9~11時間かかる。道が分からないので、宿でガイドを手配してもらっていた。
朝の6時にガイドが迎えに来て、出発した。天気は曇りだ。風が強く、かなり寒い。今にも雨が降りそうで怖い。寒いので、コーヒーをいれようと思ったが、昨夜、ここに泊まってるドイツ人学生グループにライターを貸して返してもらってないことに気がついた。この時間では寝ているだろう。起こすのも悪いので、コーヒーを諦めてランチのサンドイッチを作り、ランチの材料の残りを朝食がわりに食べて、出発した。
風が強く、太陽が出てないので寒い。ガイドも相当に着こんでいる。回りにはなだらかな丘のような山が続いている。
寒さと風でうつ向きながら、前に進む。しばらくすると、サニパスからトラバースして、その奥の地形に入った。だが、景色はさっきとかわらない。向こうまでずっと、なだらかな丘が続いている。他には何にもない。なんか思っていたのと違うなーとこの辺りで気がついた。天空の国と呼ばれるレソトは、確かに標高はあるが、南アフリカからちょうど切り立った崖を越えたような地形で、その中はなだらかな緑の丘が続いている。景色としてはあまりドラマチックではないということだ。しかも、まっ平らと言うわけではなく、歩けばそこそこ傾斜を感じる登りと下りの繰り返しだ。多分、この山は南部アフリカ最高峰といっても、全然ポピュラーではなく、ツーリストも来ないので、歩いていても、一時間に一度くらい羊飼いとすれ違うくらいで、誰にも会うことはない。
まーこういうのも悪くはないが、ちょっと距離がながい。これだけ歩いても殆ど似たような景色なので、あまり歩く気力が湧いてこない。
途中川があり、少し休憩した時に、ガイドが「写真は撮らないのか?」と言うので、数枚取った。距離は長いが、ガイドと二人なのでかなりのハイペースで歩いた。9時間で戻れば、午後4時まであるという、モコトロン行きのミニバスに乗ることができる。ここは悪くないところだが、宿が予算オーバーなので今日のうちに移動したい。
幾つかの谷を越えて、丘の上に上がったときにガイドが「あれがタバナ ントレニャナだ」と指差した。「あれかーー。。。。」山というよりは完全に丘だ。回りにも同じような起伏があり、そこが一番高いと言う以外の何でもない。しかも、まだまだ距離はありそうだ。見なきゃ良かったと思った。
まーでも、ここまで来て登らないのも無いなと気を引き閉めて、早歩きて進む。まるでガイドと競歩してるくらいの歩きで、タバナ ントレニャナの最後の登りまでやってきた。流石に最高峰らしく、ここからは風が半端ない。前に進むのもキツいくらいだが、辛うじて風は右から左へ流れているのでなんとか進める。確か今日の天気予報は降水確率50%、風速40mだった。
頂上直下で、あとはここを登ればというところに着いた。風の音がスゴい。ゴアジャケットのフードを被って、一気に頂上に上がると、そこは信じられないくらいの風で、真っ直ぐ立つのでさえ、厳しかった。歩いても飛ばされそうになるし、頂上には石を積んであるだけで、標識も何もなかった。ここはきっとツーリズム的に全く重要では無いのだろう。ガイドとなんとか上がってきたが、風が強くて、声も通らないし、風のない頂上裏側に行けとジェスチャーするのが、精一杯だ。取りあえず、風に負けずになんとか写真撮影をして、裏の岩の下に避難した。
ここは風が通らないようで、落ち着いていた。ガイドと共にランチを食べ、少し休んでから帰路に着いた。
帰りは、早くつくことだけを考えて歩いたが、途中から雨に合い、ずぶ濡れになった。油断してタイパンツで来たのが間違いだった。濡れた身体に追い討ちをかけるように強風が襲う。寒い。
30分ほどで雨は止み、そのあとはずっと曇りだったが、冷えた体が暖まらずに寒かった。
宿に戻ると3時前で、9時間はかからずに戻ってこれた。本当は直ぐにミニバスに乗る予定だったが、風邪を引くので暖かいシャワーを浴びることにした。ドイツ人達はもう出たようで、いなかった。結局ライターは戻ってこなかった。ダメなドイツ人達だ。
シャワーを浴びて、着替えて、荷物を纏めた。まだミニバスがあるかは分からなかったが、取りあえずサニパスの上のイミグレに行くことにした。ここで、止まる南アからのミニバスに乗ればいいらしい。
風は更に勢いを増して、道路を歩くのが困難になっていた。なんとかイミグレの建物に行き、イミグレスタッフに「ミニバスは来るかな?」と聞くと「どっから来たんだ?VISAはあるのか?パスポートを見せろ」と言ってきた。「日本人はVISAは不要だよ」といって、パスポートを渡すと「入国スタンプないぞ!」と言う。確か、レソトに入ったときレソト側にはイミグレも何もなく、他の乗客に聞くと「問題ない。出国の時、南ア側でスタンプ貰うんだ」と言われたので、そのまま、ここまでやってきたのだった。「不要って言われたよ」と言うと、「そんなわけないだろ!」と少し怒こっている。だが、南アの出国スタンプを見せると、入国スタンプを押してくれた。「あと何日いるんだ?」と聞かれて「5日くらいかな」と答えると、スタンプに5DAYSとボールペンでしっかりと書かれた。やっぱり、入国スタンプ無しでいいわけない。
そのあと直ぐにきたモコトロン行きのミニバスに無事に乗ることができ、サニパスをあとにした。恐ろしい風で車も横転するじゃと心配したが、想像以上の人数と荷物が乗っていて風で飛ばされる心配は無さそうだった。