2016/SEP/17 「ウォーキングサファリ」

スワジランドはスワジ族が国民の大半をしめる王国だ。形式的に立憲君主制だが、憲法で国王には絶対的な権力が保証され、国王の地位もドラミニ家の世襲制だ。政府要職もドラミニ家がしめるらしい。ちなみに一夫多妻制で、現国王は13人の妻がいる。エイズ感染率が世界で一番高い国だ。どんな国かと思ったが、国境を過ぎても、町についても、宿についても南アフリカとそう変わらなかった。首都ムババネでさえ、南アの田舎町程度で、幹線道路からは丘に住宅地が広がるのが見える。
南アフリカ経済に依存しているので、スーパーもガソリンスタンドも南アと変わらないし、通貨のリランジェニは南アフリカランドど等価で、ランドも普通に使える。
圧倒的な景色が広がるわけでもなく、スワジの伝統が感じられるわけでもなく、かなり微妙だ。
ムババネもエンズィニも全く魅力ない町で、大半のツーリストはエズニウィル渓谷に滞在することになる。ここにはツーリスト用のホテルと安宿があり、ショッピングセンターが近いのでテントを張って自炊するのには、いいところだ。安宿の方のレジェンドバックパッカーに泊まったが、天気が悪くドミに泊まった。160リランジェニ(1,168円)。森に張り出したテラスが気持ちいいのと、夜には火を炊くので肉を買ってくればバーベキューが楽しめる。
近くにミルワネ ワイルドライフ サンクチュアリという公園があり、サファリができる。ここはガイドなしで歩いて回ることができると言うので行ってみることにした。アフリカで何度かサファリはやったが、ウォーキングサファリは初だ。近いと行っても7キロくらい離れているので、ミニバスで3キロ地点まで行き、そこからはヒッチで行った。
ウォーキングサファリができるといっても、肉食動物がいないというだけで、車で回るように作られている。歩くとただ単に疲れるだけで、動物も少ないし、そもそも餌をあげてるので野生とは言いがたい。真ん中にピッポープール(カバプール)があり、そのまわりにはトレイルがあるが、一周してもカバは出てこなかった。サファリとして、全くダメな公園だ。これならケニアのマラリアンタへの路線バスの方がよっぽど動物が見れる。かなりがっかりしたが、敷地の西側にはニョヤネ山があり、トレイルが幾つか用意されていた。ニョヤネ山のいかつい頂は、宿からも見えるなかなかカッコいい山だ。サファリよりもはるかに良さそうだ。トレイルは後で作ったようで、何故か途中フェンスを梯子で乗り越えたりしなければならない不思議な物だった。誰も歩いている人はいなかったが、途中シマウマの群れに遭遇したりと、チョッとしたドキドキもあり楽しめた。
午後にスワジ文化村へ行こうかと思っていたが、予想以上に疲れて止めた。歩いて幹線道路に戻った時は足が棒のようだった。合計20キロくらいは歩いただろうか。肝心の動物はというと、シマウマ、アンテロープ、ワニ、イノシシが、少数いる程度だった。サファリは歩いてやるものではない。












Recomend Posts

2017/APR/21 「最後の町」

日本へ帰る便は土曜日の昼にマドリッド発だったので、マドリッドには泊まらずトレドで 2 泊して、土曜の朝に直接空港へ向かうことにした。 マドリッド、トレド間は 30 分おきにバスがあり交通の便がよい。 トレドはスペインの有名観光地で、とても綺麗な町だ。スペインには何度も来てい...