2016/OCT/5 「喜望峰へはレンタカーで」

今のパスポートは既に40ページの追加をしたもので、それでも残り二ページを残すのみとなり、今後西アフリカを目指すなら全く足らない。コンゴやアンゴラでICチップ入りのパスポートが作れるかも怪しいので、ケープタウンで作っておくことにした。

日本領事館は、南アフリカのVISA10/8までだと話すと、「なるべく早く出せるようにします」と、とても協力的だった。昨日の朝にメールをチェックすると、「新しいパスポートが出来たのでご都合の良いときに取りに来てください」とメールが届いていた。そのため、今日はパスポートを取りに行って、午後に出発する岡田さん達を見送ろうと考えていたが、同室のドイツ人が、起きると、「明日は雨だから、喜望峰へは今日行った方がいい」と言うので、急遽喜望峰へ向かうことにした。

喜望峰へ行くときは普通、朝早く出発すると聞いていたが、既に8時半を過ぎていたので、岡田さんとミキちゃんに別れを告げて、直ぐに宿をでた。喜望峰の行き方は色々あるが、一人なら、サイモンズタウンまで電車で行き、そこからレンタサイクルが最安だ。昨夜、新しくやって来た日本人の男の子も今日、レンタサイクルで喜望峰へ行くと言っていた。

鉄道駅に着いて聞くと、次の電車は9:45までないという。一時間近く待たなければならない。もう一人の日本人の男の子は朝7時には宿を出たときいた。こんな時間に出発して、帰ってこれるか不安だ。スーパーで昼飯を買い、時間を潰して駅に戻ってきた。

電車は時間通りに出発して、ゆっくりと走り出した。まー何とかなるだろうと道中、窓から外をボーと眺めた。途中から海沿いを走り、11時頃にサイモンズタウンに着いた。取りあえず、近くの店で何処で自転車を借りれるか聞いて回り、ツーリストインォメーションにたどり着いた。そこで自転車を持ってる人に電話してもらい、何とか自転車を確保。ここにはレンタサイクルの店があるわけではなく、個人から借りるようだ。数が少ないので運が悪ければ、出払ってしまっていることもある。運よく、小さな商店を営むインド人が、自転車を貸してくれ(有料)、何とか走り出すことができた。時刻は既に正午だった。だが、店を出るときにインド人オーナーは喜望峰までは45分だと言ったので、少し安心感がわいた。

少し走った所で、ペンギンの看板が出ていて、ペンギン押しのカフェや商店が並んでいたので、地図を見るとボルダーズビーチという、ペンギンのコロニーがすぐ近くにあることが分かった。

坂を下って、右に入ると駐車場があり、近くに入り口が見えた。てっきり無料だと思っていたが、しっかり60ランド(438円)も取られた。しかも、お金を払って入る敷地の外にもペンギンはいて、中に入るか悩ませた。だが、中に入るとウッドデッキの道がビーチに続いていて、ビーチには何十ものペンギンが寝たり、歩いたりしていて、なかなか良かった。ここのペンギンはそんなに大きくはないが、歩いてる姿は愛嬌があっていい。
あまり長居すると喜望峰から戻って来れなくなるので、ボルダーズビーチをでて、またペダルをこぎはじめた。急がなければ、という思いからかなり早く走ったが、15分もするとすぐにバテた。車なら全く気にならない、微妙な登りと下りが、延々と続き、更に海からの強風を受けるので、かなりシンドイ。だが、そうも言ってられないので、取りあえず前に進む。「ホントにみんな自転車でくるのかー?」と自問しながら、一時間くらいたったときに、ようやくゲートが見えた。

喜望峰は国立公園になっていて、このゲートはその入口だが、地図を見ると喜望峰まではまだ13キロ以上ある。多分ここで半分といったところだろう。公園の中はやはり、アップダウンの連続で、最後の灯台のあるケープポイントまでの登りは自転車を押して登った。着いたときは喉が乾いて仕方なく、観光地価格の冷えたコーラを買わずにはいられなかった。

自転車を停めたところで、宿にいた日本人の男の子に会った。彼は一時間ほど前に到着して、灯台を見て降りてきたところだった。これからCape of Good Hopeという最南端の碑を見に行くと話した。

こっちは、まず灯台を見に行き、そこから先端に延びる崖まで、歩いていった。先端には数人の観光客がいて、何かを見て叫んでいるので、海を眺めると少し離れた所で、イルカのような物が三頭ほど跳び跳ねるのが見えた。しばらくすると、また水面に上がってきて潮を吹くのが見えた。まさかと思い他の観光客に聞くと「クジラだよ」と教えてくれた。まさか、ここでクジラを見られるとは思わなかった。

灯台へ戻り、自転車を置いた駐車場に降りて、今度はCape of Good Hopeへ向かうことにした。トレイルには往復二時間半とあるが、この分だとここを出るのは4時を過ぎそうだ。

Cape of Good Hopeまではよく整備されていて、景色も素晴らしかった。眼下には白いビーチが見える。降りる道もあるが、さすがにビーチに立ち寄る時間はもうないだろう。サイモンズタウンからの終電が何時まであるか怪しい。しかし、このときハプニングが起きた。なんとサンダルの鼻緒がキレてしまった。「ここで切れるかー」と途方にくれそうになったが、その辺にある草で鼻緒を結んで、なんとか進むことができた。道中三回ほど、草が切れて、取り替えたが、なんとかCape of Good Hopeにたどり着いた。

沢山のツーリストが看板の前で記念写真を取っている。横にはツアーバスが止まっていて、記念撮影には軽い列ができている。流石は有名観光地だ。海の近くの岩まで行き、大西洋を眺めた。波は荒い。水飛沫がバシバシはねる。アフリカ大陸の先端はこんなところなのかーと何も見えない海の向こうを眺めた。

帰りも気の遠くなるような道のりだったが、行きよりも下りが多く、二時間もかからずにサイモンズタウンに戻ってこれた。それでもインド人オーナーの言う45分には程遠かったが。


店に着いたのは6時少し前で、インド人オーナーはこっちに気がつくと、「おー、大丈夫だっか?良かったか?」と笑顔で迎えてくれた。「全然45分じゃねーじゃねーかよ!」と怒鳴ろうかと思ったが、その笑顔を見るとどうでもよくなった。「スゲー疲れたよ」と言うと「そのエナジードリンク飲め。効くぞ」と冷蔵庫の中を指差したが、大きく「high coffein contain」と書いてあるのでやめておいた。茹で玉子を2つほど買って、オヤジと話ながら食べて、疲れが落ち着いてから駅に向かった。駅に着くとギリギリで電車を逃し、40分後の終電に乗ることになった。今日は全く電車運がない1日だ。何にもない簡素な駅でボーと電車をまった。次にまた喜望峰に行くなら、絶対レンタカーだ。













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