2016/NOV/10 「サプールついに現わる」

昨夜はこの教会の会長が日本から帰国した。近くのネットカフェのコンゴ人と仲良くなり、ビールをご馳走になり、教会に夜もどると教会の裏の建物にたくさんの人が集まっていた。近寄るとシャンセルが寄ってきて、会長が今、日本から帰ったと教えてくれた。「きっと時差ぼけで眠いだろうから、挨拶は明日にするよ」と伝えて休むことにした。

年に1度、天理教の祭の時に会長は日本へ滞在するという。会長は家族同行で、天理教のお金で日本へ行けるわけだ。コンゴでの信者が150人というから、この教会の運営費や僧侶の生活は全て日本の天理教のお金で賄われているのだろう。会長は発電機付きの空調の効いた家に住み、毎日のように起こる停電の影響も一切受けない。ここに来た初日以外、夕方の礼拝は連日の停電で真っ暗闇のなか行われていたが、会長の家には灯りが灯っている。なにか順番が違う気がする。

僧侶たちにも家族と住む住居が与えられていて、生活費も出るので、完全に日本の天理教に生かされている形だ。ここには僧侶以外の家族も住んでいて、彼らは各々普通に仕事をしているらしい。日本の天理教からすれば、海外での信者というのは、インターナショナルな宗教になるためには大事な存在なのかもしれないが、お金を得るための信仰になりかねないなーと心配になる。

朝飯を食べ、洗濯を終えるとシャンセルが「サプールの人が来ました」と呼びにきた。ついに来たかとおもったが、マロンガさん以外は忙しく、結局マロンガさん一人になってしまったという。まー仕事もあるだろうから仕方ない。

教会へ向かうとバッチリ決めたマロンガさんが待っていた。流石にこの前とは違う。サングラスやパイプなど小道具も持ってきている。別に動画は撮ろうと思ってなかったが、マロンガさんは仕切りに「動画は1分くらいでいいか?アッチからステップ入れて歩いてくればいいか?」と撮られたがったので、少しだけ録った。マロンガさんはノリノリでポーズをとったり、カメラ目線で笑顔を作ったりとサービス満点だ。しかも着替えを持ってきていて、教会の庇の下で人目を気にせずズボンを着替え始めた。真っ赤なサテンのトランクスになり、着替えたのはブランド物スカートだった。マロンガさんは男物のスカートだと念を押したが、コンゴ人の中年オッサンのスカート姿はカッコイイを通りすぎている。マロンガさんは着ているもののブランドタグを見せてくれ、値段も教えてくれた。因みに今日のジャケットはイタリアのブランドで20万円くらいだと言う。ここの人の月収の6~8倍だ。やりすぎだろう。コンゴにはブラザビルとポートノイルにもサプールがいるといい、総勢1500人くらいはいるらしい。天理教信者の数の10倍だ。週末にはブラザビルの郊外で集まり活動しているという。その時は20~30人くらいのグループになり、皆で服の自慢したり、モデル歩きやステップを踏んだりして服を見せあって、そのあと飲みに行くらしい。マロンガさんはコム・デ・ギャルソンも持ってるぞと言うが、ギャルソンはどうもサプールとはスタイルが違うのでリップサービスな気がする。


どれくらい服を持ってるのか聞くと、150点くらいはあると答えた。総額いったいいくらになるのだろう。家族はさぞかし迷惑だろう。









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