2016/OCT/26 「アンゴラのビーチ」

3,4時間と聞いていたルバンゴからロビトのバスは8時間以上かかった。この国も人のいうことは当てにならない。途中通ったベンゲラは、南部アフリカで見た大型スーパーが幾つかあり大きな町で便利そうだっが、かなり広域に広がっていては歩いて回るにはなかなか大変そうだったのでとばした。

ロビトにあるマコン社のバスターミナルは、真夜中に着いたため門が閉じられていて、通りで下ろされたが、門番がゲートを開けてくれ、ルバンゴ同様、待ちあい室で朝まで寝ることが出来た。

朝になると床掃除が始まり、追い出され、通りの物売りから路上で調理した炒り卵を挟んだサンドイッチを買って朝食にした。100クワンザ(22)と相変わら安い。

町の中心までの行き方を聞き、通りでミニバスに乗り、アフリカーナと呼ばれる青空市場まで行き、そこから別のミニバスに乗り換えて、町の中心メルカドムニシパルで降りた。Rua 25 de abril という通りに3軒ほど宿を見つけたが、安い部屋はなかった。1軒は4000クワンザ(880)の部屋があったが、埋っていて、8500の部屋しかないと言われてやめた。アンゴラの宿はどうも外国人を毛嫌いしている傾向がある。少し待てばチェックアウトの時間なのに、それには触れずに部屋はないと断言する。

他に宿はないかと通りを歩いていると、一人の女性が話しかけてきた。アナと名乗るそのアンゴラ人女性は、始め英語で話してきたが、実は英語は挨拶程度しかできず、結局スペイン語で会話をした。アナは親切にも宿探しを手伝ってくれるという。

アナはコンパウンドと呼ばれるエリアに行けば安い宿があるという。何処だか分からないし、行っても宿があるかも怪しい。するとアナはついてこいと言い、何やら小汚ない空き地に入っていった。その奥のガレージの様な家にいって、そこの子どもに何やら話すと子供は電話をし始めた。アナはコンパウンドにある宿だと言い、予算は?と聞くので5000と答えると、電話で5000の部屋があるか確認してくれた。

そのあとメルカドムニシパルに戻り、そこからミニバスに乗り、そのコンパウンドと呼ばれるエリアに向かった。バスを降りると男が寄ってきて、荷物を持ってくれた。どうやら宿のスタッフらしい。路地に入ったところにあるHOSPEDARIA combinadoと書かれた小さな宿は、通気が悪くカビ臭かったが、シャワー、トイレ付きの部屋で5000クワンザだった。シャワーベッドからはちゃんと水が出たし、電気もついた。さらに驚くことにシャワーはお湯も出た。まさかこんなとこでお湯が出るとは!この宿はかなりの掘り出し物だ(トイレの排水の臭いとカビ臭さがなければ)

アナはチェックインを見届けると、帰っていった。なんていいやつなんだ。見返りも一切求めない。アンゴラは強盗以外はいい人が多い気がする。

宿から2分歩くと海があり、綺麗ではないが、現地の子供が泳いだりしている。あちこちに船があり、漁師らしき男達があばら屋で飯を食べている。メニューは無く、料理もパスタの上に魚の切り身を一つ載せたものだけだった。これも300クワンザ(66)ととてつもなく安い。味はエチオピアのパスタより少しましな程度で魚はなかなかだった。

ロビトには大陸から細長く延びた半島部分が細長い湾を造っていて、その中に港がある。大陸から続いたその半島の大西洋側はずっとビーチになっていて、5キロくらいは延びている。そんなにビーチは整備されていないが、半島の先端にはよくわからない船のモニュメントがあり、湾の入口の狭くなった所では釣りをしている現地人がたくさんいた。

この辺りには綺麗めのバーが何軒かあり、現地に住むポルトガル人が子供を連れてきたりしていて、ツーリストのいない謎の国家アンゴラの中でもリゾートらしさが感じられる。ただし、海はナミビア同様、綺麗ではない。汚れているのではなく、インド洋の様にエメラルドグリーンの色をしていないということだ。波も高いし、色は青グレーだ。

この辺りにはポルトガル植民地時代の建物も少し残っていて、綺麗ではないがロビトの見所がこの半島であることはわかる。半島の中ほどに一軒のレストランがあり、1階にバーカウンターがあった。ここにはエスプレッソマシンがあり、ちゃんとしたエスプレッソが飲めた。300クワンザ(66)とビールが二本買えてしまう値段だが、値段がおかしいのはビールの方だろう。この国では南アフリカのビールやジュースも見かけるが、不思議なことに南アフリカで買うよりも安い。南アフリカ産の有名なシードル`Safari'も、ここでは350クワンザ(77)で飲める。闇レートが関係していることは確かだ。

ストリートフードばかり食べていると物価が分かりづらいが、食堂で食べれば1000~1500クワンザ(220~330)はするので、そこまで物価が安いわけではない。現地人もしっかりした人は、道の食べ物は買ってない。しかし、安くすませようとすれば、アフリカでも一二を争うほど安くできるのでバックパッカー向けの国といえる。


暗くなる前に町の中心でネットカフェを探しに行ったが、どこもwifiはなく、置いてある信じられないくらいスローな古いパソコンからではGmailのセキュリティのせいでメールも見れなかった。Gmailのセキュリティは旅行先で現地のデバイスからアクセスしようとすると認証が必要になり、面倒だ。それにしてもアンゴラはインターネットの普及が他のアフリカ諸国と比べても遅れている。町はそこそこ大きな建物もあるのだが、水道や電気のないエリアも多い。これでは現地に着いてからインターネットで情報を集めることは難しいだろう。かと言ってアンゴラのガイドブックなど存在しない。人に尋ねて得た情報で前に進むしかない。まるでドラクエだ。



 
















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