2016/DEC/20 「バンギからガロアブライ」

昨日カメルーンビザが貰えなかったので、今日は朝イチに大使館に行ってみることにした。セオドー兄に聞くと、トラックは10時くらいに出発するというから、朝イチにビザが貰えればまだ間に合うはずだ。

宿からバイタクに乗り、8時半に大使館に着いた。例の無愛想な受付に聞くと、「座って待て」とだけ言葉を発した。すぐもらえるのか聞きたいところだが、このおばさんはすぐに発狂する癖があるので、大人しく椅子に座って待つことにした。昨日話をしたスタッフも部屋から出てきて、こちらに気がつくと挨拶をしてきた。握手をして「昨日はよく寝れたか?」と聞いてきた。こいつは相変わらずいいやつだ。他のスタッフも皆いいやつで、あのおばさんだけが異様に態度が悪い。まるで飴と鞭のようだ。ひょっとしたらこの大使館はそういう方針なのかも知れない。

9時を15分ほど過ぎたときに受付のおばさんから呼ばれた。受け取りのサインをしろと言われ、サインし終わるとパスポートが返ってきた。やった!思ったより早くもらえた。20日しか貰えなかったが、ダブルエントリーだ。これで仮にチャドからニジェールに抜けられなくても、またカメルーンに戻ってくることも出来る。

急いで大使館を出て、バイタクを捕まえ、宿へ引き返した。これならトラックに間に合うかもしれない。宿で荷物をピックアップして、歩いてONAFへ。

すると途中で4台ほどのトラックが止まっていて、人が群がっているのが見えた。近づいていくと、セオドー兄がいた。ラッキーだ。来るときに乗せてもらったセオドーはコンゴへ行くので、返りはセオドー兄に乗せてもらおうと思っていたところだ。

ところが、セオドー兄は既に客を捕まえていて、席は埋まっていた。セオドー兄は少し待ってろといい、他のドライバーに話をして、何とか他のトラックに乗れることになった。そのトラックには英語が話せる人間はいなかったが、贅沢は言ってられない。しかも、すぐに出発だと言うので、セオドー兄にお礼を言って、トラックに乗り込んだ。

今回のトラックは、若いドライバーとオッサンのアシスタントというコンビで、車内にはその他にカメルーン人の男と中央アフリカ人の男を乗せていた。中央アフリカの男以外は皆モスリムだ。

ドライバーが熱心なモスリムの場合、お祈りの時間にはトラックを止めて地面でお祈りをする。キャンプ地に着いてもビールを飲まないし、バカ騒ぎもしないので静かな旅になる。さらにこのドライバーは皆にビスケットやコーラを振る舞った。このバカ高い輸入コーラを11本買ってくれたのには本当に驚いた。ムスリムはたまにこういう人がいる。イスラム教の教えに喜捨という教えがあるからだろう。

バンギからガロアブライへのトラックは来たときと違い、空っぽのコンテナを運ぶトラックが目立った。そしてそのコンテナの扉を開けて、コンテナに現地人を乗せて走る。一見荷物の上に乗るよりもマシに見えるが、砂ぼこりが酷く環境は劣悪だ。なによりコンテナの床は堅くてシンドイし、どんな道か前が見えないので、急に揺れたりと危険極まりない。

行きも帰りも現地人の旅は困難を極める。彼らから見たら他のアフリカの国のどんなに酷い乗り物でも心地よく感じることだろう。

















Recomend Posts

2017/APR/21 「最後の町」

日本へ帰る便は土曜日の昼にマドリッド発だったので、マドリッドには泊まらずトレドで 2 泊して、土曜の朝に直接空港へ向かうことにした。 マドリッド、トレド間は 30 分おきにバスがあり交通の便がよい。 トレドはスペインの有名観光地で、とても綺麗な町だ。スペインには何度も来てい...