ボーに着いたのは夜中の12時過ぎで、乗客はそのまま車の中で寝ることになった。寝るといってもバスではないのでギュウギュウの車内で、走っていた時の体勢のまま目を閉じるだけ。朝の5時に別の車がやって来て、それに乗り換えてフリータウンへ行くことになった。相変わらず値段で乗客と揉めまくっている。ローカル含めて騙し合い。辺りはまだ真っ暗だというのに。
ボーからの道は良く、殆どが舗装されていて気がつくと既にフリータウンの郊外だった。右手には巨大なマングローブの林が見え、左手には急峻な山が見えた。町に近づくと斜面にたくさんの建物が見えた。
フリータウンは西アフリカでは珍しく、海岸のすぐ近くまで山が押し寄せている。車を降りて、調べてあった宿へ向かう。宿は町の中心にあり、通りは人でごった返している。街の中心部はそれ自体がおおきな市場のように商店が並び、路上には物売りが品物を並べている。歩くのも大変なくらいの人ごみの中を車が強引に通る。活気があるというのはポジティブな表現だが、カオス以外の何物でもない。
宿は水道の電気も止まっていて、廊下に置かれてあ巨大なポリタンクからシャワーやトイレの時に水をバケツに組んでいく必要があり、電気も夕方にならないと発電機をまわさなかった。水は貴重で勝手に洗濯でもしよう物ならレセプションが飛んでくる。それでもこのホテルはシオラレオネでは中の中といったところだろう。
フリーラウンでは写真を取るとトラブルが絶えなかった。町を一望したいとなと思い、中心部から坂を登って、街が眺められそうな場所を探していると、写真を取ったとたん数人の男から呼ばれ、建物の中から自称イミグレーションで働いているという男が出てきて、ビザはあるのか?写真撮影の許可証は持っているのか?と聞かれた。ビザを見せてもこれはツーリストビザではないだの、フリータウンでは写真撮影に許可が必要だと言い、「どこで許可を取れるんだ?」と聞くと「観光局だ」と最もらしいことを言う。建物は確かに政府のもので、この男も政府関係の男ではあるのだろうがちょっとおかしい。ビザのことといい、どこかこちらの粗探しをしている感がある。しまいには男はここで許可証を出せるから金を払えと言い、でなければ明日観光局へ行き取れと突っぱねてきた。これを聞くと金をたかっているのがわかった。
とりあえす観光局で取ると答えて、その場をあとにしたが、翌日観光局では案の定、許可証などいらないと言われた。その後も警察に止められることが何度かあったが、何かにつけて金を取ろうとするし、高圧的で全くフレンドリーではなかった。
日が暮れると、中心部の露店はアルコールランプの明かりで商売を続けていた。暗くなっても人ごみは昼間と変わらない。宿の前の露店の客引きがうざく、今日何度声をかけられたか分からない。フリータウンはアフリカの悪いところを集めたような街だ。
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