アビジャンの町の中心、プラトーは遠景には高層ビルが建ち並び近代的な町だが、実際にはかなり建物が老朽化していて、道路や歩道の整備も今一つだった。もう少し華やかな繁華街でもあるものだと思ったが、街中を歩いてみるとかなり廃れていて、立派なのは銀行の建物くらいだった。
コートジボワールは独立後、イボアールの奇跡と呼ばれるほどの発展を遂げた。だがそのあとはクーデターが続き、2度の内戦で国は後退した。内戦が起きるとどんな国でも経済活動がとまり、国は停滞する。これはアフリカの多くの国が経験し、歴史が証明している。そもそもアフリカではクーデターの成功率が異様に高いのが問題だ。軍事政権が樹立し、いつも数年後の民政移行が約束されるが、ほぼ100%守られることはないのが、大まかな流れだ。それからは別のクーデターが起きるか、仕組まれた選挙による形だけの民政移行後に独裁が始まる。アフリカ諸国はそんなことを1960年代の独立ラッシュ後、50年も続けている。別に無理して民主主義を語らないでいいのではないかと思う。
地図で見るとよく計画されたハイウェイ網と碁盤の目の街区、それぞれのエリアごとにバスターミナルが計画されていたが、今はバスが殆ど走っておらず、バスターミナルは空き地になり、市民は町中を走る行き先の決まったシェアタクシーを利用していた。ラグーンに分断されたアビジャンの町は、タクシーだけでは到底不十分で、明らかに公共の交通網が不足していた。なぜこのようになったのか分からないが、アビジャンは昨夜ラグーン越しに見たほど、中身は発展してなかった。
プラトーの東側ではモロッコの援助による水際開発のプロジェクトが計画中のようで、近代的な予想図が掲げられている。だがそれ以前にこの交通網をなんとかしなければ、市民はこの移動に無意味に時間を浪費する生活を強いられ続けるだろう。
プラトーの東のココディーでも開発が進んでいるようで、大使館や大使公邸はプラトーからココディーにどんどん移っているらしい。このお陰でリベリア大使館に行くにはだいぶ苦労することになった。
プラトーのマリ大使館では30分ほどでVISAが取れたので、そのままリベリア大使館へ向かったのだが、リベリア大使館はココディーに移動していて、場所も分からないのでタクシーで行くことになってしまった。
リベリア大使館の中は不思議な空気が流れていて、ベストを着た黒人のスタッフが紳士的な態度で申請書をくれ、記入してその場で申請した。ソファセットと冷水器の置かれたよく空調のきいた飾りっ毛のない部屋には、ポスター一つない壁に首都モンロビアにあるホテルの写真が何枚か額にはいって飾ってある。普通は国の観光地の写真とかがあるものだが、そんなに立派でもないホテルの写真しかないのは、きっと観光資源がよっぽど無いことを示しているのだろう。うーん。いろんな意味で楽しみだ。
明日の午後に受け取りと言われ、冷水器の水を二杯飲んでから外に出た。相変わらずの暑さで3歩で汗が噴き出す。ここからどうやったらトレッシュビルへ帰れるのだろう。本当になんとかしてほしいものだ。
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