昔からセネガルにピンク色の湖があることを知っていた。ロンドンの設計事務所で働いていた時に同僚のベルギー人がセネガル旅行の写真を見せてくれ、そこにピンク色の水面が写っていたのを今でも覚えている。
ダカールを一通り見て回り、その湖について調べてみると、ダカール郊外にあることがわかった。ダカールはもはやアルマディス岬の牡蠣意外、何一つ印象に残っていなかったので、そのラック・ローズ(フランス語でピンクの湖)に行ってみることにした。
市内からは乗り継ぎが必要だが、バスで行くことができ、入場料も取られないのでお金のかからない観光地だ。ラック・ローズはバスの終点で湖のほとりの停留所で停車した。乗客は近所に住むローカルだけで皆方方へ散ってゆく。
目の前にはそれほどピンクには見えない湖がある。多分これだ。思ったよりはピンクには見えない。大自然の中にあるのかと思っていたが、周りは普通に建物が建ち並んでいる。なんだかアフリカの大地にあるピンク色の神秘的な湖を想像していたのでショックだ。しかも、周りの集落からの排水垂れ流しで湖の周りは異様に臭いし、場所によってはヘドロに藻が生えたような湿地帯になっていて、リスクなしでは近寄れない。ここで泳いでいる人の写真を見たことがあるが、この湖はそんな衛生レベルではない。
向こうの方に湖で塩を採っている人たちが働いている。湖から集めた大きな塩の山がいくつも並び、トラックがやってくると、男たちが荷台に塩を載せる。かなり忙しそうだ。
このあたりが水際まで寄ることができ、近づいて水面を見ると鮮やかなピンク色が広がった。太陽の反射があるので見る角度がついてないと鮮やかなピンクには見えないのだ。この湖は空から見るのが一番美しいだろう。
岸にはボートが停まっていて、すぐに客引きが寄ってきた。たいした値段ではなかったが、湖の中央まで行った景色が容易に想像できてしまったので乗らなかった。
時折欧米人ツアー客がジープでやってきて、ガイドと一緒に10分くらい滞在して去ってゆく。たぶん、ガイドは「もういいですか?ボート乗りますか?」と聞いているのだが、ツアー客は誰も乗らないし、すぐに去ってゆく。この湖はネットで検索すると綺麗な写真ばかり出てくるのが問題だ。
ダカールはやはりアルマディス岬の牡蠣くらいしか印象に残らないかもしれない。
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